■寝かせでの解体

解体台は自作する猟師さんも多いですね。いずれにしても慣れてないと一苦労です。

 テーブルに獲物を置いてのシンプルな解体スタイルです。茨城県の実施している無料解体セミナーに参加した時はこのスタイルの解体でした。普通のテーブルでも解体はできますが、木枠を組んで専用の解体台を作って解体されている方もたくさんいましたね!

解体に使う刃物は、自分がやりやすい物であれば何でも大丈夫です。ナイフ1本でる人もいれば、骨を切るのに電動ノコギリを使う人もいます!

 寝かせでの解体のメリットを上げると

♦特別な道具や場所が必要なく、小さな個体なら手軽に作業できること
♦地面に広げたビニールシートや軽トラの荷台等、どこでも解体することが出来ること

 寝かせでの解体のデメリットというか、注意点ですが、台の衛生管理が必須になってきます(消毒・洗浄など)。ただ、剥いた皮の上で作業すれば最低限の衛生管理は出来ると聞きました。

 いやぁそれにしても大物を何度もひっくり返して作業は本当に大変でしたね……。一人だ

 とあっち行ってこっち行ってを繰り返し向きを変えるだけで腰がもげそうになりました(;´∀`)

 解体のスタイルは本当に人によって様々です。2つのスタイルを獲物によって使い分けている猟師さんももちろん居ますよ。ロープや滑車を持ち歩き、現地で吊るし解体を行う人もいるそうです。吊るすための専用のフックもあるので、要チェックですね!

 ただし、内蔵抜きを含め、現地での解体は残滓の処理に要注意です。適切な処理を行わずに放置をすると鳥獣保護法第十八条「鳥獣の放置等の禁止」や、廃棄物処理法第十六条「投棄禁止」に抵触する場合があります。市区町村によっては「原則持ち帰り」を指定している所もあるのでお住まいの自治体に確認してくださいね。

 さて! 獲物の皮を剥ぐ皮剥ぎについてですが、四国や九州沖縄地方など、地域によってはイノシシの皮を剥がずに(!?)、毛を処理して皮ごと食用にする所もあるそうです。皮は剥ぐものとばかり思っていた私にはビック仰天! 暑い地方だから毛皮は要らなかったのでしょうね( ゚Д゚)私はイノシシの皮を頂食した事はありませんが、確かに鳥皮なんてめちゃくちゃ美味しいのでイノシシの皮も美味しそうです!

 以下に毛の処理方法をまとめてみました!

【毛剃り】刃物でイノシシの毛を剃り落とす方法。最も一般的。
【毛焼き】ガスバーナーなどで毛を炙っ焼き切る方法。

 毛焼きには、毛を焼いた後、水につけて焼けた薄皮をふやかし、金たわし等でこすり、もう一皮剥く方法もあるそうです。マダニなどの寄生虫も確実に処理する事が出来るそうなので衛生的で良いですね!

【湯剥き】70度~80度のお湯をかけて抜けやすくなった毛を毟る方法。

 毛根まで抜けるので表面が綺麗に仕上がります。熱湯をかけて消毒出来るのでこちらも寄生虫に対して有効的です。湯剥きによって剥かれた個体を動画で拝見しましたが、ちょっとびっくりするくらいツルツルです。きっとあそこまでツルツルにするには、相応の技術と、根気が必要になってくるはずです。

 解体の技術にしろ、皮剥ぎの技術にしろ、全国の猟師さん達はそれぞれの地域の特性に合わせてみんな一生懸命に技術を磨き、それを後世に繋げてきたのでしょう。インターネットや動画サイトもない中、何百年と昔から繋がれてきたこの技術と想いを、私も受け継ぎ、そして後世に伝える為のお手伝いをしていきたいです。

【終わりに】

 今回は、解体のスタイルや方法について深く掘り下げて綴らせて頂きました。次回は私が害獣から守っている畑について、そして憎き野菜ドロボーや有害鳥獣についてお話させて頂こうと思います。この連載を通して私の、私たちの想いが、少しでも誰かに繋がり、そして何かのお役に立てれば幸いです。