新築マンションを値引く方法【知識編】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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新築マンションを値引く方法【知識編】

話題の不動産プロ集団“全宅ツイ”による不動産コラム①

02|値引きが行われるマンションの見分け方

販売が長期化している。
または、その要因を抱えている

 前項をお読み頂いたなら理解は早いと思います。

 販売が長期化する要因はいくつかあります。代表的なものでいえばやはり「価格が周辺相場と比して高すぎる」でしょう。

・土地を高値で仕込んでしまった
・会社都合で来期〇十億円の売上を達成する必要がある
 このような売主側の内部事情で高値になってしまったようなマンションは、それに見合う付加価値がなければ、当然売れ残ります。

 そのほかには、下記のようなタイプのマンションが販売長期化しやすい傾向にあります。

●明確な弱点を抱えているマンション
 ※郊外の幹線道路や線路沿い、駅から遠いetc…
●その地域に対して戸数が多すぎるマンション

 販売が長期化し、売主が当初の目標を諦めて下方修正し、損切りのため販売スピードを上げようと焦っているマンションは、よく公式ホームページやチラシ等に「来場したら〇千円プレゼント!」「契約で〇十万円分の家電プレゼント!」などの文字が躍るようになります。
 これらは、一つの値引きサインとみてよさそうです。

 

売主が自社で販売を行っている

 これは少し構造の説明が必要です。

 マンションデベロッパーには『売主である自身が直接販売も行うタイプ(=自ら売主)』と『子会社や完全に外の販売会社に販売を任せるタイプ(=販売代理)』があります。

 後者の場合、売主は販売手数料を支払う代わりに、前項でいう時間コストのうち「販売上の人件費・雑費」を販売会社に押し付けて免れることができます。

 この仕組みがあるため、いざマンション販売が長期化しても売主はかかるコストが少ないのでダメージが少なく、販売会社から進捗のための値引き提案があっても断りやすい構造になっています。
 むしろ販売会社に対して「高値を維持して売ってきてくれ、費用圧縮のため広宣費も削るぞ」なんて言ってのける凶悪な売主も存在します。

 対して、売主自らが販売する場合は、時間コストがダイレクトに利益に影響するため、損切り=値引きの判断が早くなるのです。

 

まとめ

 いかがでしたでしょうか。

 つらつらと書き進めましたが、要点をまとめると…
値引きが行われそうなのは『販売が長期化している』『売主が自社で販売をしている』マンションということになります。

 もちろん例外もありますが、もしこの記事を読んだあなたがマンション購入を考えていて、そのマンションが上記の特徴に当てはまるようであれば、お試し感覚で、一度モデルルームに足を運んでみてはどうでしょうか。

 近く、新築マンションにおける「値引きの引き出し方」についても書いてみたいと思います。


なめ茸(デベロッパー勤務)
大手マンションデベ勤務。販売現場一筋で銭湯と高円寺をこよなく愛しています。

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全宅ツイ

全国宅地建物取引ツイッタラー協会

数百億円の不動産を取引する不動産ファンドの社員から、ルノアールにたむろする無免許ブローカーまでを会員に擁する、不動産業界最大のツイッター集団。業界の裏事情から社会風刺まで、歯に衣着せぬつぶやきで人気を集めている。その保有資産、預り資産、グリップ資産の合計は20兆円を超えると言われている。


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