英国人が指摘する、日本人サラリーマンの「木を見て森を見ず」体質 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

英国人が指摘する、日本人サラリーマンの「木を見て森を見ず」体質

ここがヘンだよ、日本のサラリーマン⑤:外国の日系企業で働く、現地人サラリーマンの場合

■「Can’t see the wood for the trees」

 大事な資料は、どんなフォーマットで細かく文章が書かれていても、全てちゃんと読むという前提が、イギリスではあまり成り立っていないのかも知れない。或いは、日本人サラリーマン社会から見れば、こうした前提が成り立った上で回っていくのが、仕事というものかも知れない。

 日本語で、「木を見て森を見ず」という表現があるが、イギリス英語で「Can’t see the wood for the trees」という、全く同じ意味を持つ表現がある。この表現を使って、日本人サラリーマンのヘンな点を語ってくれたジョンソンさんだが、最後はポジティブなコメントを残した。

「シャイな性格の人が多いのか、馴染むのに時間がかかる人をよく見かけますが、ある程度の時間を一緒に過ごせば、みんな心を開いてくれるという印象です。日本人だって、仕事が終わってから同僚たちとビールを飲みに行き、談笑することはいつでも楽しいもの。何かと日本人独自のやり方というものがあるようですが、私は違いよりも自分たちとの共通点を大事にして、上手くやっていきたいと思っています」

 ヘンなところに気付きながらも、あえて過剰に気にせずに、日本人サラリーマンと上手く付き合っている様子の、ジョンソンさん。彼と働く同僚たちは、いい同僚に恵まれている、と見ていいのだろうか。

【第6回】
※第6回は18日(火)より公開!

KEYWORDS:

オススメ記事

竹鼻 智

たけはな さとし

1975年東京都生まれ。明治大学経営学部卒、Nyenrode Business Universiteit(オランダ)経営学修士。2006年より英国ロンドンに在住。ITコンサルタントとジャーナリストのフリーランス二足の草鞋を履きながら活動し、「ラグビーマガジン」(ベースボールマガジン社)、「Number」(文藝春秋)、「週刊エコノミスト」(毎日新聞社)へのコラム執筆など、現地からの情報を日本へ向けて発信。BEST T!MESでは、イングランド代表HC、エディー・ジョーンズ氏の連載「プレッシャーの力」の構成を担当。


この著者の記事一覧