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「恋人だった女性は戦友になった」妻との関係性の変化に悩む、夫の気苦労

実録「牛乳石鹸」――佐藤さん(仮名・40代男性)の場合

■恋人だった女性は戦友に

 起床して自身の出勤準備をした後、洗濯物を干して、子供を起こし、朝食を食べさせ、保育園に送りとどけるまでが佐藤さんの朝のミッションだという。更に「今度、〇〇に行くからレンタカー予約しといて!」「〇〇買ってきて!」など、頼まれ事をされることも多い。
「正直、めんどくさいなあと思うことはあります。出来る範囲は頑張っていますが、うっかり忘れてしまった時は厳しいお叱りがあります(苦笑)」
 子供が産まれてからは、夫婦間のコミュニケーションの仕方も変わっていったという。
「奥さんに、一気に階段を上がっていかれたような感覚です。子供がメインで僕への配慮はあまりありません。いわゆる毎日手料理を作って旦那の帰宅を待つ、みたいな事は無いですね。恋人だった女性は戦友に近い存在になりました」

 

■もう少し、仕事の事を理解してほしい

 仕事の付き合いや、ストレス発散で飲みに行くこともある。だが帰宅するとやはり奥さんのご機嫌はあまりよろしくないよう。
「でもこっちは仕事だったり、土日も含めて出勤とか固定の予定があったりするから仕方ないんだよと思いますが、奥さんに怒られて終了。その後は外食に行ったり、少し多めに家事をやったりして対応します。職場では『また怒られちゃったよ』と笑い話のネタにしてるので、同僚が奥さんに会った時『噂の鬼嫁の奥様ですね』と言ってしまって(笑) 。あとで『あんた何言ったのよ!』と……僕は事実をありのままに話しただけなんですけどね」

■コミュニケーションの秘訣は“話を聞く”

 コミュニケーションの仕方が変わって来た妻に対し、佐藤さんはどのように応じているのか。
「まず、相手の状況を考えることを大切にしています。相手が何故このような状況になっているのか理解した上で話を聞く。そして奥さんが一生懸命な時はトーンを合わせることです。あとは子供の事は出来るだけ共有して考えるようにしたり、僕の方からは『やっといて』と相手に押し付けることはしないようにしています」
 そんな佐藤さんも“相槌の打ち方”が難しいと感じる時があると言う。どう頑張っても奥さんのご機嫌が直らない時はないのかと尋ねると、「そういう時はなされるまま、激流にのまれるしかありませんね」と微笑んだ。

 世間的になかなか可視化されることはないが、夫の方も妻とのコミュニケーションにおいて気苦労が絶えないことを、佐藤さんのエピソード、そして牛乳石鹸のCMは物語っているようだった。

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