再審無罪・袴田巖さんの弁護団が国を提訴へ。検事総長「到底承服できない」談話受け

2024年に袴田巖さんが再審で無罪判決を受けた後、畝本(うねもと)直美検事総長が「到底承服できない」などと記した談話を発表したことを受け、袴田さんの弁護団は23日、国を提訴する方針を固めたことが分かった。
1966年6月30日に、当時の静岡県清水市にある味噌製造会社の専務宅が燃え、焼け跡から多数の刺し傷がある一家4人の他殺体が見つかったほか、現金などが盗まれた強盗殺人放火事件をめぐって、元プロボクサーで味噌工場の従業員だった袴田巖さんの死刑が一度は確定したものの、やり直しの裁判を経て、2024年9月に無罪判決が言い渡された。
これを受け、判決公判から12日後の同年10月8日、畝本直美・検事総長は談話を発表。「袴田さんが結果として相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことにも思いを致し、熟慮を重ねた結果、検察が控訴し、その状況が継続することは相当ではないとの判断に至った」と控訴を断念する考えを明らかにしながらも、判決については「到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容であると思われる」と不満をにじませていた。それに対して、袴田さんの弁護団は23日に会見を開き、畝本検事総長の談話に関し国を提訴する方針を示した。
なお、提訴日は8月18日を予定しているという。
文:BEST T!MES編集部