アレクシオンファーマ、難病「心アミロイドーシス」のAI診断を支援。診断率45%まで引き上げる

アレクシオンファーマ合同会社が、難病「心アミロイドーシス」におけるAIを活用した早期診断のためのコンソーシアムを支援する。5月23日の「難病の日」にちなんで発表した。
心アミロイドーシスは、肝臓で合成されるトランスサイレチン(TTR)というタンパク質が、異常を起こして解離し、凝集して心臓に沈着する病気で、心アミロイドーシスを含む全身性アミロイドーシスが難病に指定されている。
かつては珍しい病気と考えられていたが、現在では、国内に5~6万人の潜在的な患者がいるとされる。遺伝と加齢いずれも因子になるが、60歳以上の男性が発症しやすい傾向が見られる。
心アミロイドーシスは、心不全やしびれを引き起こすが、初期症状が他の疾患と似ているため、誤診で見逃されやすいという課題があった。
そこで本発表では、AIによる診断が有効だと提言された。AIによる診断は過程がブラックボックスであることが問題視されるが、心アミロイドーシスは疑いさえすれば精度の高い検査ができるため、AIの誤りが問題にならない。心電図や心エコーをAIに学習させることで、専門医でも難しい症例の診断が可能だという。
発表では、高知大学医学部の北岡裕章氏、熊本大学大学院生命科学研究教授の部辻⽥賢⼀氏、東海大学医学部講師の後藤信⼀氏、アレクシオンファーマ合同会社社長の濱村美砂子氏、アレクシオン・アストラゼネカ・レアディジーズ最高経営責任者のマーク・デュノワイエ氏が登壇し、心アミロイドーシス診断の現状やAI診断の可能性について説明した。
今回発表されたコンソーシアム「Integrated ATTR-CM Partnership on AI Cardiac Technology(略称:IMPACT)」は、2025年12月に発足する。現在、心アミロイドーシスの診断率が国内で12%といわれており、これを2030年に45%程度まで上げることが目標だという。
文:BEST T!MES編集部