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菊池涼介の新たな一面がもたらした快進撃 
石井琢朗が認める献身性、黒田博樹が絶賛する「肩」

広島の好調打線を象徴する「少ない」犠打数。2番・菊池涼介の見過ごせない献身性。

世界との戦いにおいても、菊池の身体能力は引けを取らなかった。

■メジャーを見てきた黒田が絶賛する肩

 また守備での貢献度も欠かせない。驚異的な守備範囲は今も健在。派手なプレーだけでなく、堅実性も増す。昨季10記録した失策は今季わずか3。しかも1つは菊池でなければ追いつけていていなかったにもかかわらず「E」ランプがともった。不運な失策を除けば、ミスは2つしかない。

 米大リーグの高い身体能力や強靭な二塁手を知る黒田も菊池の能力を認める。
「20年プレーしてきて、ああいう選手は見たことがない。メジャーでもトップクラス。一番は肩の強さでしょう。それだけアウトにする確率が上がる。ただ肩が強い選手はいたけど、肩が強くてあれだけ守備範囲の広い選手は他にいない」
 最高の賛辞が並んだ。

 読みと爆発的なスピードで可能とする広い守備範囲ばかりが目立つが、黒田が評価する肩こそ、隠された大きな武器である。どんな体勢でも力強い送球ができる形に持っていく術を知っている。

 緒方監督は開幕から常々「守り勝つ野球」と言い続けてきた。センターラインを強固なものとし、そして機動力を押し出す攻撃陣のつなぎ役を全うする。菊池が攻守で緒方野球の体現者となっている。

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前原 淳

まえはら じゅん

1980年7月20日、福岡県生まれ。現在は外部ライターとして日刊スポーツ・広島担当。'03年に大学を卒業後、上京。編集プロダクションで4年間の下積みを経て、2007年に広島の出版社「サンフィールド」に入社。「アスリート」編集長などを歴任し、2014年12月にフリー転身。著書に、広島カープが16年ぶりにAクラス入りを達成した2013年の奇跡を描く「カープストーリー」(KKベストセラーズ)がある。




 



 


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