コンビニが日本から消えたなら…みなさん、どうしますか? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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コンビニが日本から消えたなら…みなさん、どうしますか?

どんな業界にも通じる「人」がなすべき働き方とは? コンビニを見るときっと気づくはず!!

どんな業界にも通じる「人」がなすべき働き方とは?

ここまで、コンビニ問題を世の中の変化とともに振り返ってきました。ここで述べてきた話は、誰もが生活していく中で、また企業にとっても、必ずや直面する問題ばかりなのです。AIとIoTを駆使した未来型のコンビニは、効率的業務と、 それによる〝空いた時間〞での「人」としての温かみのある接客の進化に2極化すると私は予測しています。

この空いた時間をどう使っていくのかが、これからの日本にとって最も大切な事となるのではと思っています。 

今後、企業では経理・人事・総務などのクリエイティブな要素が少ない定型業務はAIが取って変わっていくのでしょう。たとえば経理であれば、コンビニが進める AI発注の目指す進化と同じく、導き出された数値を戦略的に活用して事業戦略の提案をするなど、事業戦略部署の一端を担う教務となるのかもしれません。 

コンビニのイートインは、シニアの集会場になると提言しましたが、たとえば人事担当者であれば社員がコミュニケーションできる場所の提供や社員が笑顔になれるイベントの創出。社会問題化する精神疾患を事前に防ぐべくクリエイティブな施策を発案することが求められていくのでしょう。 

コンビニと同じく、働き方の変化を待ったなしで考える必要があるのです。 

またコンビニでは、年中無休・ 24時間営業など全国一律でのサービスが今後減っていき、いままで通りとはいかなくなります。コンビニの変化は、ある意味、みなさんが、今後不便さと向き合っていかなければならない世の中の最初の入口となりそうです。 

コンビニではサービス縮小を進めるにあたり、売上・立地・競合・オーナー資質などの棚卸しを実施し実行に向かっています。おそらくコンビニ同様に個人の生活にも棚卸しが必要な時代となっていくのでしょう。変化する生活に合わせた住環境の検討、生命保険・携帯などの契約が現状の生活に適しているか、食生活・ 1日のスケジュール、一部で問題化しているスマホ依存など、いまこそ生活スタイルの見直しの時期であるのは間違いありません。
つまり、効率化で空いた時間やお金で、より自分らしく生きる生活を創出するのです。これができる人とできない人によって人生の豊かさに大きな差が生まれてきそうです。 

コンビニは、人口減少・超高齢化マーケットの中で、生活インフラとしての役割がさらに求められていきます。街の灯りとなる安心感を得る交番的役割、トイレの貸し出し、宅配による高齢者の見守りサービス、マイナンバーカード普及による複合コピー機での住民票や戸籍謄本などの発行、各種税金の支払い窓口等々。店舗の人手不足問題に反してさらに期待度は高まります。 

こういった行政の代わりとなる業務に関しては、フランチャイズオーナーの生活を後押しすべく、コンビニに補助金を投入し、生活インフラ拠点として名実的に位置付けし維持する必要があるのかもしれません。そして、通販や荷物の受取拠点など民間企業の役割代行な面も増えていくでしょう。 

また、未来に起こりうる遠隔からの医師診断サービスのように、様々な営業窓口がコンビニに置かれるかもしれません。スマホの契約、車や不動産のセールス、保険の窓口など、 営業マンが来て対面で接客、もしくは画面越しでの対応。規制でクリアすべき問題もありますが、家の近くのコンビニに世の中の各窓口が! そんな世の中になるのかもしれません。 

各企業もコンビニの変化を追い、コンビニを活用しネットと連動したビジネスを広げることを検討する時代がすぐそこに迫っています。 

さらに、コンビニでは地域やそこに住む個人に寄り添ったエリアナイズした店舗がAIを活用した分析によって実現していくと考えられます。 

身近にあるコンビニが、エリアナイズされ、そして、個人にとってはパーソナライズされた店になれば、日常の買い物はネット通販と併用して効率化されていくはずです。 

これからの時代は企業も個人も、効率化の先にクリエイティブな仕事をいかに創出できるかが、最も重要になると考えられます。変化に対応し進化するコンビニは、 今後も最も身近な教科書となり続けるでしょう。 

コンビニで買い物をするだけではなく、コンビニで起こっている変化を意識し注視し、知ることで、自分自身の仕事やプライベートの生活に置き換えて取り入れていくことができるはずです。これが人生を豊かにする近道につながるのかもしれません。 

多くの小売店を消し去っていったコンビニには、その分まで小売業界を背負う義務があります。だからこそ、コンビニは、日本の小売業界のためにも、日本経済のためにも、そう簡単に消えるわけにはいかないのです。 

 

 

 コンビニは日本の誰もが利用する、日本国民が作り上げた、世界最強のリアル小売業であり、そのことに異論を挟む人はいないでしょう。 

 ただし、昨今、コンビニ問題がネットでテレビのニュースで話題となっています。 

 いま必要とされている社会的課題との向き合いは、オーナー・本部ともに大変厳しい戦いとなります。そんな現状と処方箋を、日本の未来になぞらえて、この本を書きました。皆様が感じた異論反論・斬新なアイデアで、前向きな議論が活発化する機会になれば幸いです。

 

 

では、前回のクイズの答を公開!

Q.コンビニの年間売上高は?

答えは

②約10兆9000万円(一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会/2018年)

cf.2008年の売上高は7兆940億円

 

 

最後に今回のコンビニクイズを出題します。

Q.コンビニのレジ袋が有料となるのは、いつから?

①2020年4月
②2020年7月
③2020年9月

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【渡辺広明氏 出演情報】

 

1/29(水曜) くまざわ書店東京テレポート店(りんかい線東京テレポート駅構内 フジテレビ最寄り駅)にて15:00~19:30 著書『コンビニが日本から消えたなら』渡辺広明さんによる直接手渡し販売会&サイン会を開催

1/30(木曜) 静岡朝日テレビ『とびっきり!しずおか』16:45〜17:53

1/31(金曜)  静岡県浜松市(著者出身地)谷島屋書店浜松本店内エクセルシオールカフェにて18:30~20:00 著書『コンビニが日本から消えたなら』刊行記念トークショーを開催

1月最終週 TBSテレビ 『グッとラック!』8:00〜

2/1(土曜)発売 雑誌『広報会議』書評ページにインタビュー掲載

2/3(月曜) デイリースポーツ 連載『流通最新論』

2/3(月曜)発売 雑誌『リベラルタイム』特集記事

2/5(水曜) 東京スポーツ 連載『流通ウォッチャー』

2/15(土曜)発売 雑誌『DIME』

2/20(水曜) フジテレビ『Live News α』 23:40~

 

 

 

 

『コンビニが日本から消えたなら』
渡辺広明 (著)

少子高齢化デフレ、AIデフレという新地獄に負けない経済戦略が実はコンビニで行なわれている! 日本一のコンビニ流通アナリスト渡辺広明氏が誰にとっても身近であるコンビニの最新施策を分析し、小売業の未来図を説く。今話題のコンビニ問題と社会問題に関する解決策を提案。ここまで真相に迫りって述べた作品は今までない!すべての業界で働くビジネスマンにも通じる「いい仕事」をするために何を考え何をすべきかを説くビジネスの教科書となる1冊です。

全国一律、「24時間開いててよかった」をキャッチフレーズとし年中無休の利便性を打ち出していたコンビニが、キャッチフレーズを「近くて便利」に変更し、上質な品揃えと接客で「お客様から常に頼りにされる店」へと変化しています。それがめまぐるしく変化を遂げるコンビニのレイアウトや新商品展開、AI IoTの導入、セルフレジの導入、健康・医療サービス、高齢者へのサービス、エコな商品の開発などに見て取れます。

1.こういった日本社会が抱える課題点とコンビニの変化には密接なつながりがあり、その問題を解決する施策こそ、従事する「人」が描くべき経済戦略であり、5万8699店舗という小売業界世界No, 1を誇るコンビニが取り組む施策だからこそ、必ずや世の中の常識となっていきます。この経済戦略、働き方の新方程式への気づきを読者が得られます。

2.著者渡辺さんが、今までTVでは表現し切れていない、とっておきのリアルなコンビニ店長時代の体験エピソードを放出して頂きます。これは読み手にとって青春時代のコンビニを思い出す原風景であり、コンビニはそこまでするのか…と驚きの内容となっています。いい仕事を目指す人にとって、感動し涙すること間違いなしです。

この2点が本書の最大のおすすめポイントです。

 

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渡辺 広明

わたなべ ひろあき

日本一のコンビニ流通アナリスト

静岡県浜松市出身。東洋大学法学部経営法学科卒業。 マーケティングアナリスト、流通アナリスト、 コンビニジャーナリスト。 静岡県浜松市の親善大使『やらまいか大使』。 (株)ローソンにて店長・スーパーバイザー・バイヤーとして 22年勤務。約730品の商品開発にも携わる。 ポーラ・オルビスグループ(株)pdc勤務、TBCグループ(株)で 商品営業開発・コラボ企画・海外業務を歴任後、 (株)やらまいかマーケティング 代表取締役社長に。 フジテレビ『Live News α』『ホンマでっか!?TV』での コメンテーターをはじめ、 『東京スポーツ』『デイリースポーツ』『オトナンサー』 『商業界ONLINE』にて連載を持つなど、 多種多様なメディアで活躍中。


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