3年間。本気で婚活した結果、<br />自分の選ぶ未来に自信が持てました |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

3年間。本気で婚活した結果、
自分の選ぶ未来に自信が持てました

-83人と出会った、ある婚活女子のリアル-

|「運命の人」はやって来ない

 今あなたが結婚したいのに、出会いがないと思っているなら作るしかありません。理想の相手は空から降ってこないし、街角でぶつかることはないからです。恥ずかしながら私は真面目に、運命の人は突然現れると思っていました。もっと言えば、合コンや紹介のような『人工的』な出会いは本物の恋じゃないと思っていました。
 それが婚活なんて『自然な出会い原理主義者』にとっては邪悪ともいえるシステムに膨大な時間と精神を投入し、すがり付くことになるなんて…わからないものです。
 いえ、本当はわかっていたんです。でも認めたくなかっただけで、私たちが生きる世界は映画でも恋愛小説の中でもない。自然に出会えなかったのなら、チャンスを作るしかないのです。

 自分がそうだからというわけではなく、私は「○歳で独身」は負け組などとは思いません。長く付き合った人とめぐり合わせが悪くてうまくいかなかった人や、仕事や勉強など、自分の人生に一生懸命だったから結婚が後回しになった人もいます。
 ただし「勝ち負け」ではなく、今までと同じ生活をしていては「結婚するチャンスが乏しい」という事実は認めなくてはいけません。たとえば、痩せるために食習慣や生活習慣を見直すように、『ありのままの私』で結婚できていない人が結婚を目指すなら、自分の足元から見直して、環境を変える努力をするしかないのです。

 婚活を『仕組まれたもの』だと不信感を持っている人ほど、婚活をやってみて欲しいと思います。
 もちろん、いいこともあれば嫌なこともあります。婚活をしなければ気づかずに済んだ自分の欠点や評価に苦しんだり傷つけられもしますし、ニュースになるような怖いトラブルがあるのも事実です。
 それでも、リスクを最小限に、お金や時間、心の負担も小さく、チャレンジすることは可能です。婚活の出会いも奇跡のような一期一会なんです。
 婚活が無理ならやめてもいい。向いていないと思ったらやめてもいい。結婚したいと思えなかったらやめていいのです。でも、やってみないと見えない世界もあります。自分の人生を変える手段として、婚活を一度は考えてみてもいいのではないでしょうか。

|そこには苦しみしかない

 そうは言っても、婚活をしなくて済むならそれに越したことはないです。本当に。私は婚活を通して2度恋人ができましたが「もうこれで婚活しなくていいんだ」という開放感を、好きだという気持ちに置き換えていなかったという自信はありませんでした。婚活はダイエットと一緒で、成功したら今までの生活を変え、新しい生活を一生続ける覚悟を持たなくてはいけません。
 重く考え過ぎでしょうか?
 勢いでチャレンジはして欲しいものの、カジュアルな気持ちのまま乗り切れるほど、多くの人にとって婚活は軽いものではありません。うまくいった場合は、その先に何十年もの『生活』が続いています。

 それと、私たちの多くは、自分のことを実際より高く見積もっています。同時に、リアルな世界で自分をとりまく同僚や友人たちは、自分が思うより世間的には、ずっと優れているのだと感じました。
 頼りない上司、ガキっぽく見える同期、使えない部下…あなたが日頃そう評価している彼らは、婚活市場に放たれたら婚活女子によって一瞬で掻っ攫われることになるのです。
 自分が『好きになれない』と思っていた人たちが、婚活市場の食物連鎖の頂点にいる。そして自分が手を届く人は「この程度」かと思う。
 極めつけは、妥協してアプローチしてみた相手にもあっさり拒否されるのです。プライドだとかそういう次元じゃなく、もう自分の価値が足元から崩れていくのでした。

 ただし、安心してください。また、ハイスペ男性諸氏は不安に思ってください。
 需要の高い人にある『選り好み』があなたを結婚から遠ざけます。私は何回も会い、最終的に「お互い付き合うなら、結婚前提で早く結論出したいよね」とまで言った男にのらりくらりと逃げられました。
 当時の私は何度か涙を流しました。最後は「彼とは縁がなかった。しょうがない」と自分から手を離して、前を向きました。
 その彼は少し歳はいっているけどハイスペで、勤務先や学歴、これまでのキャリアや年収はもちろん、性格まで良い人でした。きっと私と並行して何人もの女性と会っているのだろう。しばらくして彼はアプリを退会しました。
 「彼はきっとすぐに結婚するんだろうな」そう思っていた2年後、私は再び登録したアプリで彼を見つけました。そうか、まだ結婚していないのか…と、私は複雑な気持ちになりました。私を選ばないからだ、ざまみろという気持ちもありながら、彼も幸せになっていない事実に寂しさを感じました。

 一度は重なりながらも別れ、ぐるぐる回って同じ場所に戻る男と女。婚活の地獄をまた感じる機会でした。いっそ彼がヤリモクだったら、心の底から笑えたかもしれません。でも彼は誠実な優柔不断でした。私を振ったのだから、もっといい人を見つけて幸せになってほしかった…。そんな複雑な気持ちを抱いたのを覚えています。

 

KEYWORDS: