JR九州の「白いかもめ」普通車とグリーン車乗り比べの旅 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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JR九州の「白いかもめ」普通車とグリーン車乗り比べの旅

JR九州が誇る「特急かもめ」を楽しみ尽くす

■乗り比べ後半。やっぱり快適な旅に

1号車は運転台寄りの半分がグリーン車

 博多行きの「白いかもめ」のグリーン車は最後尾の1号車の後ろ半分。こぢんまりした車内に12席しかない。有明海の車窓が楽しめる進行方向右側を選んだのだが、こちらはA席で1人席。通路をはさんだ反対側は2人席に見えるけれど、よく観察すると、微妙に離れた1人席が並んでいる。そちらは、C席とD席となっていて、グリーン車にB席はない。

車内の案内表示

 出入口から入ると一番手前の席だったので、座ると目の前は壁である。といっても、圧迫感はなく、広めのテーブルが目の前にあり、窓と反対側は仕切りがあるので、半個室のような落ちついた配置となっている。コンセントもあり、グリーン料金を払うだけのことはある。

グリーン車の車内

 列車は右に大きくカーブして大村線と分かれる。元々は大村線が長崎へ向かう本線で、現在の有明海沿いの区間は後からできたので、このような線形になったのである。しばらく走ると、有明海が見えてきて、やがて海岸沿いに走るようになる。遠浅で干満差の大きな海らしく、波打ち際は干潟のようになっているところが多く、独特の風景だ。

車窓から眺める有明海

車窓から眺めた入江

 カーブも多く、885系は振り子構造を活かして、走り抜ける。ただ、グリーン車の座席はふわふわした感じで、宙に浮いたような気分になり、ちょっと不思議な乗り心地だった。肥前鹿島に停車すると、有明海と分かれて平野の中を北上、肥前山口で佐世保線と合流して、ここからは複線となる。

 

 ようやく幹線らしい雰囲気となったが、平野を走る抜ける車窓は、絶景とは言えない。かなりのスピードを出し、唐津線と合流する久保田を通過、嘉瀬川を渡り、臨時駅のバルーンさがを過ぎ、貨物用のコンテナが並ぶ鍋島を通り、高架になると佐賀に停車する。

 佐賀からは利用者も多く、グリーン車もほぼ満席になってしまった。以前、佐賀から自由席を利用したら、席が見つからず車内をウロウロした経験もある。かもめは常時混雑しているようだ。

新鳥栖を発車

 気分転換に席を離れる。グリーン車室のドアとデッキの間には個室のようなフリースペースがある。サービスカウンターとの表記があるので、かつて客室乗務員によるサービスがあった時代に準備室として使われていた時代の名残であろう。携帯電話使用やひとりで車窓を眺めるなど、文字通りのフリースペースと言える。車内広報誌が置いてあったので1冊いただいて席に持ち帰った。
九州新幹線との乗換駅新鳥栖に停車し、すぐに左にカーブして鹿児島本線と合流すると鳥栖である。このさき、二日市に停車するかもめもあるけれど、乗車した列車は博多までノンストップ。21分で駆け抜けていった。

鹿児島本線を快走する白いかもめ

 基山では、甘木鉄道の車両が一瞬見え、原田では筑豊本線と分かれる。博多に近づくとすれ違う列車も増え、西鉄の線路が高架線でオーバークロスし、JRの車両基地の脇を過ぎると、スピードを落とし、ゆっくりと博多駅に滑り込んでいった。

 ソニック、みどり、ゆふいんの森やカラフルな通勤電車など個性的な車両が発着し、目を楽しませてくれる博多駅。改札口を出ると、構内は大勢の観光客やビジネスパーソンでごった返していた。

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野田 隆

のだ たかし

1952年名古屋生まれ。日本旅行作家協会理事。早稲田大学大学院修了。 蒸気機関車D51を見て育った生まれつきの鉄道ファン。国内はもとよりヨーロッパの鉄道の旅に関する著書多数。近著に『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』『シニア鉄道旅のすすめ』など。 ホームページ http://homepage3.nifty.com/nodatch/

 

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