「感情が不明確な瞬間にシャッター切る」ミセスGA・大森元貴は写真にドハマリ中

7月4日、大森元貴(Mrs.GREEN APPLE)がGinza Sony Parkにて開催された「GQ JAPAN クリエイティブ・ウィークエンド」イベントにて「GQ クリエイティビティ・アワード」を受賞した。
「GQ クリエイティビティ・アワード」は、『GQ JAPAN』が2023年に創設した、音楽、アート、陶芸、建築の分野での先駆者たちを称えるイベント。受賞者による作品展示イベントが、7月5日、6日の2日間行われた。
大森は写真作品群《僕が居ようが居まいが》を展示した。何気ない街の風景、ソファーに置かれたギター、バンドメンバー3人の後ろ姿など、今回の展示ではジャンルを横断して創作を続ける思考と、感性の原点をたどるような写真作品群が披露されている。
大森は、「GQ JAPAN」の石田潤氏、高田景太氏とともにトークセッションを自身が撮影した写真作品を展示しているスペースで行った。写真を撮り始めたのは2年ほど前だといい、「今はスマホで簡単にクオリティの高い写真がだれでも撮れますけど、アナログの良さというか、小難しさに憧れる感覚があったんです。自分の見えている世界やセンスが音楽とは違った形で具現化される。そういう魅力があったので始めました」と語った。
全19点の写真作品群のタイトル「僕が居ようが居まいが」について聞かれると「日頃音楽を作っているし、人前で歌を歌う表現をするということをしているので、自分の自己表現みたいなものだったり、自分自身と対峙する機会っていうのがすごく多いんですけど、結局、やっぱり一人の人間として、自分はどれほどの自分自身が認めてあげられるかとか、今生きている中でどれだけの影響を正しく、数じゃなくて、自分の誠意として、どれだけ残していけてるんだろう。そういうことを考えた時に、ゼロを一回彷彿させるっていうところで、何かものを作るうえでとても大切な気がしています。だから『僕が居ようが居まいが・・・』みたいな。本当にこの世界は続いていくのか、この表現は終わってしまうのか、いろいろわからないけど、その後に続くのは僕自身もわからないことなので、自問自答する意味でも、このタイトルを付けました」と意図を明かした。
どういうときに心を動かされて写真を撮影しますかと聞かれると「自分の感情が不明確な瞬間とか『この気持ちはなんだろうか』とか、そういうはっきりとしていないタイミングにシャッターを切る機会が多いですね。後々その写真を見返すことによって『この時の自分はこういうことを考えていたんだ』と自分自身を追体験する感覚が多い気がします。文章とは違った形の日記に近い、ログに近いかもしれないですね」と内面を明かした。

“本業”音楽とのすみわけについては「音楽は生業ですが、業務的な仕事ではないんです。本当にカテゴライズする、仕舞っておく箱の場所が違うだけで、(写真と音楽は)同じ部屋にちゃんとあるような感覚はあります」と説明した。また「些細なことでも全て表現活動になる、写真を通してそれを感じましたね」とした。
今回の受賞者は、大森のほか、GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE(ギロチンドックス・ギロチンディ アーティスト)、GROUP(建築コレクティブ)、藤倉麻子(アーティスト)、安永正臣(陶芸家)の5組が受賞した。

取材・撮影:BEST T!MES編集部