元々はプロのダンサーとして活動をしていたMIKIKOさん。演出振付家になった今、もう一度踊り手になりたいと思うことはあるのでしょうか。

踊ることに命をかけている感情への憧れは常にあった

 私が演出振付家になる前は、アクターズスクールでインストラクターをする一方で、プロのダンサーとして活動していました。ダンスコンテストに出場して優勝したり、MAXのバックダンサーのオ ーディションを受けて「VAX」というユニットを結成し、全国ツアーや紅白歌合戦に出場したり......。
 ステージから見る景色の素晴らしさや自分を磨くことの楽しさを感じてはいたものの、 表舞台に立つよりも、裏側で舞台を作るほうが好きなことにあるとき気がついたんです。幼いころから楽屋や舞台裏を見るのが好きだったことが根底にあるのかもしれませんが、客席の後ろ、操作卓側から舞台を見ているほうが興奮するんです。

撮影/杉田裕一 [POLYVALENT]

 何かを積み重ねていく作業は好きなので、自分が踊ることに対してには、練習をすればするほど上達するというおもしろさはありました。でも私は「ダンスがないと生きられない」という人間ではなかったし、踊ることに命をかけている周りの人との温度差みたいなものと、その感情への憧れみたいなものは常にあって。いつか興奮することに出会えたらいいなと知らず知らずのうちに探していた気がします。その興奮ポイントを「作ること」に見出せた今は、自分がステージに立ちたいと思うことはまったくないです。
 でもそれは自分が表現をしたくないということではないんです。表現をするために、自分の身体を使うのではなく、身体を使う相手を演出するほうなんだって完全に切り替わってしまっている、という感覚です。ですので、ダンサーとしてではなく、演出振付家として舞台を作ることに情熱を注いでいきたいなと思います。

明日の第十回の質問は「Q10.スランプに陥ったときはどのように乗り越えていますか?」です。