MIKIKOさんの振付や演出を見たことがきっかけで、「振付師」という仕事を初めて知った、という方も少なくないのではないでしょうか。振付師に必要な資質とは――。

踊り手の性格やコンディションに気を配るデリケートな仕事

 振付師とひと言で言っても、いろんなタイプの方がいらっしゃるので簡単には言えませんが、基本的には、動きを構成する能力やそれを説明する能力、振付をつくるうえでの想像力、観察力……などでしょうか。私個人として大切だと思うのは、ステージに立つ人の気持ちに寄り添うことができるかどうか、ですね。

撮影/杉田裕一 [POLYVALENT]

 ステージに出ない側は「もっとこうしなさい」なんて、いくらでも言えますよね。でも、ステージに出る側の気持ちをわかった上で、その時乗り越えられるハードルを設定してアドバイスをしないといけないと思っています。厳しく伝える指導力も必要だし、振付する相手によって伝え方を変えていく、柔軟性も必要です。
 伝え方を変えるというのは、「この子は厳しくしたほうが伸びるタイプだな」という性格的なところから様子を見て伝えたり。「今日は疲れているから、これくらいにしておこう」というような、相手のコンディションを見て伝えるということまで。デリケートな仕事だと思います。
 振りを渡すときも、「今のタイミングで振付を始めようか、ちょっと雑談をしてから始めようか」というように、タイミングを見ることもあります。踊る本人が疲れていると、振りが入らないこともありますから。1回リセットしてから振りを入れたほうがいいこともあるんですよね。
 そういったことは、振付全般に言えるというよりも、私の仕事のやり方において大事にしていることですね。踊り手としっかり向き合って、時間をかけて踊りを作っていく、というやり方が好きなんです。

明日の第十九回の質問は、「Q19.最近“J-POPの勢いがない”と言う人もいますが、MIKIKOさんはどう考えますか?」です。