丸太町・寺町界隈の戦国史跡(前編) |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

丸太町・寺町界隈の戦国史跡(前編)

季節と時節でつづる戦国おりおり 第239回

 前回で足利義昭旧二条城の中間堀跡をレポしましたので、その周辺の戦国史跡を紹介しておきましょう。

 

 まずは、京都御苑の中に入って、仙洞御所から内裏を遠望。仙洞御所とは院の御所(上皇・法皇の御所)の事で、写真の右側です。左奥の木立の向こうに内裏があります。

 かつてこの仙洞御所の場所付近には豊臣秀吉の京都新城が存在しました。

 甥の関白・秀次を粛清してその城である聚楽第を破却した後、秀吉が京における拠点とした城館です。秀吉死後は正室の高台院(北政所おね)が住み、「高台院殿」とも呼ばれました。内裏をすぐ間近から睨むこの位置に、秀次と朝廷の深い関係が想像できます。

 京都御苑を斜めに突っ切る形で、鴨川の西側、上之辺町の本禅寺さんへ。こちらには、「天下の御意見番」として知られる大久保彦左衛門忠教のお墓があります。

 

(写真が傾いているのはご愛嬌)
 彦左衛門さんは三代将軍・家光に諫言しまくる老人というイメージが講談によって定着していますが、第一次・第二次の上田合戦で真田と戦った、れっきとした戦国の武人です。

次回に続きます。

オススメ記事

橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


この著者の記事一覧