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2010年代末、世界はみな疲れている(前編)

2010年代の世界で、人々を最も疲れさせたのはグローバリズムだ。

■「災」と「金」と「疲」と

 

 年の瀬になると発表される「今年の漢字」ですが、2018年は「災」が選ばれました。

 主催団体である日本漢字能力検定協会は、これについて以下のようにコメントしています。

 北海道・大阪・島根での地震、西日本豪雨、大型台風到来、記録的猛暑など、日本各地で起きた大規模な自然「災」害により、多くの人が被「災」した。自助共助による防「災」・減「災」意識も高まり、スーパーボランティアの活躍にも注目が集まった。新元号となる来年に向けて、多くの人が「災」害を忘れないと心に刻んだ年。
https://www.kanken.or.jp/kanji2018/common/data/release_kanji2018.pdf

 

 じつは「災」、2004年にも「今年の漢字」に選ばれています。
 日本漢字能力検定協会のサイトには、1995年以後の「今年の漢字」一覧も出ているものの、「災」よりも頻度の高い字となると、2000年、2012年、2016年に選ばれた「金」しかありません。

 どうも平成は、カネと災いが強く意識された時代のようですが・・・
 今年の漢字は「災」よりも、こちらのほうが良かったように思います。
 つまり「疲」。

 漢和辞典によると、「疲」は本来「しゃんと直立できず、ぐったりと曲がってしまう」さまを表した字で、そこから「くたびれる」「ぐったりする」という意味が生まれたのだそうです。
 しかるに「しゃんと直立できず、ぐったりと曲がってしまう」を、つねに物理的な状態として解釈する必要はありません。

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佐藤 健志

さとう けんじ

佐藤健志(さとう・けんじ)
 1966年、東京生まれ。評論家・作家。東京大学教養学部卒業。
 1989年、戯曲『ブロークン・ジャパニーズ』で、文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を当時の最年少で受賞。1990年、最初の単行本となる小説『チングー・韓国の友人』(新潮社)を刊行した。
 1992年の『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』(文藝春秋)より、作劇術の観点から時代や社会を分析する独自の評論活動を展開。これは21世紀に入り、政治、経済、歴史、思想、文化などの多角的な切り口を融合した、戦後日本、さらには近代日本の本質をめぐる体系的探求へと成熟する。
 主著に『平和主義は貧困への道』(KKベストセラーズ)、『右の売国、左の亡国 2020s ファイナルカット』(経営科学出版)、『僕たちは戦後史を知らない』(祥伝社)、『バラバラ殺人の文明論』(PHP研究所)、『夢見られた近代』(NTT出版)、『本格保守宣言』(新潮新書)など。共著に『対論「炎上」日本のメカニズム』(文春新書)、『国家のツジツマ』( VNC)、訳書に『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき』( PHP研究所)、『コモン・センス 完全版』(同)がある。『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき』は2020年12月、文庫版としてリニューアルされた(PHP文庫。解説=中野剛志氏)。
 2019年いらい、経営科学出版よりオンライン講座を配信。『痛快! 戦後ニッポンの正体』全3巻に続き、現在は『佐藤健志のニッポン崩壊の研究』全3巻が制作されている。

 

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