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「マクドナルド」はなぜ「マクダーナルズ」ではダメだったのか

3音か5音か7音で音が切れない“マクダーナルズ”では受けない

■子供が「マクドナルドください」と言っている

「何が面白いのですか」

 とたずねると、

「とにかく行ってみればわかりますよ」
 とニヤニヤするばかりだ。仕方なく、その店に連れて行ってもらった。

 ところが行ってみると、子供たちがやってきて、

「マクドナルドください」

 とハンバーガーを注文する。来る子供、来る子供、みんな、

「マクドナルドください」
 という。
「ね、面白いでしょう、藤田さん」
 案内してくれた人はそういって笑ったが、このとき私は、『マクドナルド・ハンバーガー』と常に続けて、漢字的に表現してよかった、としみじみ思ったものだ。

 漢字的表現を徹底したために、今や『マクドナルド』は『ハンバーガー』の代名詞になってしまったのだ。

 

 10年経った今も、振り返ってみて、うまくいったと思う。

 日本語は、俳句にしろ短歌にしろ、すべて、5、7音が基礎になっている。日本語で語呂がいいという場合は、3、5、7音で成立している。『マクドナルド』も今では、単に『マクド』といわれることが多くなった。
「マクドの誰が来た」とか「マクドの広告を見た」というように使われている。
 この前も国文学の大家の暉峻康隆先生とお話する機会があったが、暉峻先生も「マクド/ナルド」と三音ずつに区切って発音しておられた。私があえて『マクダーナルズ』をけって『マクドナルド』を主張したのが正しかったことは、暉峻先生が「マクド/ナルド」と発音されたことで証明されたようなものだ。
 このライバル店で子供たちが「マクドナルドください」というのを聞いたとき、私は、マクドナルドは勝っている、と思ったものだ。

『金持ちだけが持つ超発想』より)

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藤田 田

ふじた でん

「日本マクドナルド」創業

1926年大阪生まれ。旧制北野中学、松江高校を経て、1951年東大法学部を卒業。在学中GHQの通訳を務めたことがきっかけで「藤田商店」を設立、学生起業家として輸入業を手がける。1971年、米国マクドナルド社と50:50の出資比率で「日本マクドナルド(株)」を設立。同年7月、銀座三越1階に第1号店をオープン。そこからハンバーガー旋風を巻き起こし日本人の食生活を変えていく。「価格破壊」など革新的な手法を次々と展開した。のちに「日本トイザらス」も設立。2004年没。孫正義氏、柳井正氏ら、日本を代表する企業を率いる経営者たちに影響を与えたとされる。『ユダヤの商法』『勝てば官軍』『Den Fujitaの商法』など数々のベストセラーを残した。長く品切れが続いていたが2019年4月に完全復刊する。


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