徳川家康の長男は切腹、三男は2代将軍。では、次男を知っていますか? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

徳川家康の長男は切腹、三男は2代将軍。では、次男を知っていますか?

歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第52回 ~結城秀康~

〇日柱の干支:「甲寅」(きのえとら)

 この場所は、秀家の自然界の役割を表す。「甲(きのえ)」は樹木、「寅(とら)」は季節の春を意味することから、「甲寅」を持っていた秀家は、春の樹木のような人物だったと言える。冬が終わり少しずつ暖かくなる季節、木々は葉を付け、花を咲かせ、人々に春の訪れを告げる。このように、秀康には明るく人々を引き付ける魅力があったのだろう。また、「一本木(気)」という言葉があるように、真面目で正義感が強く曲がったことが大嫌い。木がまっすぐに上に向かって伸びていくように、出世欲も強いのも「甲」の特徴である。

 

 徳川家康の次男に生まれながら、長男・信康が切腹させられた後、嫡男は三男秀忠へと移った。謙虚な態度で、絶対的な父・家康に対し反旗を翻すことはなかった秀康だが、出世欲を思わせるエピソードが残っている。出雲阿国の歌舞伎を見に行った折、秀康は阿国をほめたたえたが、「天下にはたくさんの女がいるが、この女は歌舞伎で天下を取った。しかし自分は天下一の男にもなれず、あの女にさえ劣るとは…何とも無念なことだ」と話したという。
 同様に日柱の干支に「甲寅」を持っている歴史上の人物として、中岡慎太郎。俳優に中井貴一や濱田岳がいる。

 次に、通変星(つうへんせい)・蔵干通変星(ぞうかんつうへんせい)を用いて性格を見ていく。秀康の持っている星を簡単に円グラフに表すと下記のようになる。

 

知性…様々な分野の知識が豊富で、何かを学ぶことに喜びを感じる。頭の回転が速く、物事を論理的に捉えることが上手

行動力…頭で考えるよりも行動で結果を出す。未知の分野に挑戦する意欲が強く、交渉力や営業力を磨けば成功できる

人脈…さりげない気配りができて誰とでも仲良くなれる。サービス精神が旺盛でコミュニケーション能力も高く人を動かせる。

自立心…他人に依存することなく、自分が信じた道を突き進む強い精神性。リーダーシップを発揮しフリーで活躍できる。

遊び心…楽しいことを企画する等、生活に遊びを取り入れることが自然とできる。芸術面の才能があり、表現力が豊富。

〇自立心40%(劫財、比肩)

 自立心の星は、自分の信じた道を突き進み、リーダーシップを持っている。中でも「劫財(ごうざい)」は、大企業の社長タイプ。組織をまとめることが得意で、欲しいものはどんな手を使っても手に入れたい!という強い星。「比肩(ひけん)」は、一匹狼で職人気質。頑固で負けず嫌い、マイペースであり、強い自立心を持っている。
 秀康は自立心の星が40%と高く、自分をしっかり持った人物だったのだろう。武将としての自負も非常に強く、関ヶ原の合戦の際、秀康は江戸の留守を命じられたが、色をなして家康に抗議したという。秀康がようやく説得に応じると、家康は若い頃から着用していた鎧を送っている。

※「劫財」+「帝旺」=組織の王様
「劫財」と合わせて、十二運星に「帝旺(ていおう)」を持っている。「劫財」+「帝旺」の組み合わせは、「組織の王様」を意味する。これまで鑑定した歴史上の人物の中で、この組み合わせを持っていたのは、上杉謙信、近藤勇、大久保利通。大きな組織をまとめた人たちばかりだ。しかも、秀康の場合、それを月柱に持っている。月柱は仕事や結婚を表す最も大事な場所で、組織をまとめる力を仕事で存分に発揮したのだろう。秀康は配下に、万石以上だけでも11人、知行取が500人前後おり、多くの武勇者を召し抱えていたといわれている。
 関ヶ原の合戦の時、秀康は27歳。関東の留守を守る総大将として宇都宮城に入り、伊達政宗・最上義光ら奥州の諸大名と共に会津の上杉景勝を包囲し、南下を阻止した。家康の重臣である本田正信は秀康を「武勇絶倫、知謀淵深」とその器量を評価している。家康も秀康の活躍について、「其方奥州表手強被押、関東静謐(そのほうが奥州を強力に押さえてくれたので関東は安泰であった)」と讃えて、恩賞として越前一国、68万石を与えている。
 将軍の器であることは周りも認めていたようで、家康が「次の将軍には誰がいいだろう?」とたずねた際、徳川四天王のひとり本多忠勝(ほんだただかつ)や側近の本多正信(ほんだまさのぶ)・正純(まさずみ)親子は、秀康を推し、大久保忠隣(ただちか)のみ、秀忠を推薦したという。

KEYWORDS:

オススメ記事

妃萃(本名:油川さゆり)

ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。


この著者の記事一覧