【夫婦のセックスレスが増加している「日本的背景」】 | BEST TiMESコラム

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夫婦のセックスレスが増加している「日本的背景」

社会という荒野を生きる②

■夫婦中心主義がないから弛緩する

 まず、一つ目の謎。「なぜ日本では夫婦間のセックスレスが多いのか」について答えましょう。これについては昔から問われてきていて、社会学的な回答がすでになされています。一口で言えば「日本的な文化の影響」です。

 日本が核家族化したのは、アメリカやヨーロッパを追いかけてのこと。具体的には1960年代で、団地化や専業主婦化と連動しました。この核家族化のあり方に、実は日本的な文化が反映したんですね。

 

 アメリカやヨーロッパ、特にアングロサクソンのアメリカとイギリスでは、夫婦中心主義があります。「夜9時以降は子供の時間じゃありません」と無理矢理に子供を寝かせて、「夫婦の寝室に絶対に入っちゃいけません」と言い渡すのです。

 子供をベイビーシッターに預けてパーティに出かけたりもします。要は「子供を隔離して、何とかして夫婦の空間と時間を作る」のです。日本にはそういう伝統がないので、核家族化が、夫婦中心主義ならぬ、子供中心主義でなされたわけです。

 柳田國男が日本の地域社会の特徴として見出したのが、子供中心主義。アングロサクソンみたいに厳しく躾けるのでなく、祖父母が大事に甘やかす。それが核家族化に引き継がれました。だから、夫婦の時空間を作るどころか、いつも「子供まみれ」です。

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宮台 真司

みやだい しんじ

1959年宮城県生まれ。社会学者。映画批評家。首都大学東京教授。公共政策プラットフォーム研究評議員。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。社会学博士。1995年からTBSラジオ『荒川強啓 デイ・キャッチ!』の金曜コメンテーターを務める。社会学的知見をもとに、ニュースや事件を読み解き、解説する内容が好評を得ている。主な著書に『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』『日本の難点』(幻冬舎)、『14歳からの社会学』(世界文化社、ちくま文庫)、『正義から享楽へ 映画は近代の幻を暴く』(bluePrint)、『子育て指南書 ウンコのおじさん』(共著、ジャパンマシニスト社)、『どうすれば愛しあえるの 幸せな性愛のヒント』(共著、KKベストセラーズ)など著書多数。


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