■夫婦中心主義がないから弛緩する

 まず、一つ目の謎。「なぜ日本では夫婦間のセックスレスが多いのか」について答えましょう。これについては昔から問われてきていて、社会学的な回答がすでになされています。一口で言えば「日本的な文化の影響」です。

 日本が核家族化したのは、アメリカやヨーロッパを追いかけてのこと。具体的には1960年代で、団地化や専業主婦化と連動しました。この核家族化のあり方に、実は日本的な文化が反映したんですね。

 

 アメリカやヨーロッパ、特にアングロサクソンのアメリカとイギリスでは、夫婦中心主義があります。「夜9時以降は子供の時間じゃありません」と無理矢理に子供を寝かせて、「夫婦の寝室に絶対に入っちゃいけません」と言い渡すのです。

 子供をベイビーシッターに預けてパーティに出かけたりもします。要は「子供を隔離して、何とかして夫婦の空間と時間を作る」のです。日本にはそういう伝統がないので、核家族化が、夫婦中心主義ならぬ、子供中心主義でなされたわけです。

 柳田國男が日本の地域社会の特徴として見出したのが、子供中心主義。アングロサクソンみたいに厳しく躾けるのでなく、祖父母が大事に甘やかす。それが核家族化に引き継がれました。だから、夫婦の時空間を作るどころか、いつも「子供まみれ」です。

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