権力に背けば、即暗殺も…逮捕されたロシア活動家のその後 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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権力に背けば、即暗殺も…逮捕されたロシア活動家のその後

ほんとうのロシアとモスクワ④

■「拳で殴り合ってでも…」ゾロトフの呆れた言動。飛び交う荒れ玉

 問題のゾロトフ氏は、自身の汚職行為を批判する活動家に対し、「文句があるなら、拳で殴り合ってでも決着を付けてやる」と勇む自身の動画を、ロシア国家警備隊の公式ホームページに掲載。動画では、自身を批判する大物活動家を名指しで挑発するなど、とても政府高官とは思えない言動で、世間を呆れさせている。

 これに対し、プーチン大統領にゾロトフ氏の解雇を求めた直訴状と共に抗議声明文を出す、ヤブロコ党首のスラブノバ女史と、それを大きく取り上げるロシアメディア。日本も含めた、いわゆる「西側諸国」ではあまり見ることのできない、独特なバトルが繰り広げられている。

 そんなヤブロコのメンバーとして、“一般レベル”での活動に参加する、ザブヤロフさん。色々な意味で、激しい荒れ玉が飛び交う今日のロシア社会で、一般人がプロテストに参加する意義を聞いてみた。
「私たちのような一般人が行う抗議活動で、実際に社会に変化を齎すのは、正直難しい。ロシアは、政府、警察、メディアなど、力を持った者たちにコントロールされている。ただ、自分の活動を周りの人に感謝されたりするのは嬉しいし、私のような一般人でも、自分の意見を声高に発する事が出来るという事を、人々に伝えたい。いつも黙って言われた事を聞く事しか出来ないと思っている人たちのメンタリティを変えることが出来れば、それだけでも意義がある」

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竹鼻 智

たけはな さとし

1975年東京都生まれ。明治大学経営学部卒、Nyenrode Business Universiteit(オランダ)経営学修士。2006年より英国ロンドンに在住。ITコンサルタントとジャーナリストのフリーランス二足の草鞋を履きながら活動し、「ラグビーマガジン」(ベースボールマガジン社)、「Number」(文藝春秋)、「週刊エコノミスト」(毎日新聞社)へのコラム執筆など、現地からの情報を日本へ向けて発信。BEST T!MESでは、イングランド代表HC、エディー・ジョーンズ氏の連載「プレッシャーの力」の構成を担当。


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