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仕事効率劇的アップ!「自律神経」を整える習慣ベスト5

明日から実践してみよう。

③ぎりぎりの電車に乗らない

「朝はぎりぎりまで寝ていたい」という人にはなかなか難しい話かもしれませんが、通勤時間にはぜひ余裕を持たせてほしいと思います。それによって、通勤時間が「通勤という面白くもない作業に支配されたもの」になるか、「自分でコントロールできるもの」になるかが決まるからです。

 考えてもみてください。「この電車に乗らなければ遅刻する」となったとたん、あなたに選択権はありません。とにかく、その電車に乗るしかないのです。もうこの時点で、自分でコントロールできる1日ではなくなっています。

 あるとき、私が乗っていた電車の中で小競り合いが起きました。理由はよくわかりません。おそらく、どちらかが足を踏んだとかぶつかったとか、小さなことでしょう。二人の中年男性がぶつぶつ言い合っています。一方の男性が下車してその場は収まりましたが、残されたほうが、いつまでも不快そう に舌打ちを繰り返しています。私は考え事をしていたのですが、その「チッ」という音が耳について嫌だったので、途中の駅で降りてしまいました。そして、次に入ってきた電車に乗りました。

 私がこういう行動をとれたのは、早めに家を出ていたからです。次の電車でも、またその次の電車でも遅刻することはないからです。

 それが、ぎりぎりの時間であれば我慢してその電車に乗っているしかありません。自分には関係のないことで朝から自律神経を乱れさせる結果になったでしょう。

 ゆとりのある出勤のために必要な時間はせいぜい30分。30分あれば、山手線なら五本見送ってもまだ時間が余ります。そういう余裕を朝から持つことが重要なのです。

 ためしに、いつもより30分早く家を出てみてください。そして、電車を一本見送って、駅のホームにいる人々を眺めてみてください。はっきりと二つのグループに分かれていることに気づくはずです。

 一つは、あなたと同様に電車を見送っている人々。彼らは、無理にぎゅう詰めの車両に乗ろうとしないで、次に入ってくる電車のための列の前のほうに並び、悠々と乗り込んで吊革につかまります。

 もう一つは、発車ベルが鳴り終わっているのに、駆け込み乗車をする人々。隙間がないところへ、後ろ向きになって無理やりお尻を差し込んでいます。その形相たるや、お世辞にも美しいとは言えません。周囲の乗客からも「なんだ、こいつ」と迷惑オーラを浴びせられています。どちらが心穏やかでいい1日を送れるか、パフォーマンスの高い仕事をこなせるか、指摘するまでもないでしょう。そもそも、こうした2種類の人々が存在することにも、「駆け込み組」でいると気づけません。悠々と見渡している人たちだけが、それを知っているのです。

 
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小林 弘幸

こばやし ひろゆき

1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。1987年、順天堂大学医学部卒業。1992年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にかかわる。著書に『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版)『自律神経を整える「あきらめる」健康法』(KADOKAWA)『自律神経が整う時間コントロール術』(小学館)『「ゆっくり動く」と人生がすべてうまくいく』(PHP研究所)など多数。


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