消費増税と「エリートの反逆」〈前編〉 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

消費増税と「エリートの反逆」〈前編〉

「消費税10%」で心配される格差拡大

 

■再延期の有無を考える

 

 安倍総理は10月15日、消費税の税率について、予定どおり2019年10月より10%に引き上げると表明しました。

 くだんの引き上げは、もともと2015年10月に行われるはずだったのが、総理の判断によって二度にわたり延期されていたもの。

 これを根拠に、「二度あることは三度ある、また延期されるだろう」と解釈する人もいます。

 たしかに来年は、統一地方選挙や参議院選挙が控えている。

 ふつうに考えれば、増税を行うのに適した時期ではありません。

 一部には「安倍総理は増税延期を掲げて、衆参ダブル選挙に打って出るのではないか」との推測まで見られます。

 しかし2017年の総選挙で、自民党が消費税引き上げを公約に含めながら大勝を収めたのも事実。

 ついでに「二度あることは三度ある」とも言いますが、「三度目の正直」とか「仏の顔も三度」とも言います。

 ただし後者は、「仏の顔も三度まで」としても知られる。

「仏の顔も三度」なら三回目でアウトになるものの、「仏の顔も三度まで」ならアウトは四回目以後。

 微妙なところですが、「三度目の正直だ、今回は実施されるだろう」とか「仏の顔だって、『三度』か『三度まで』かは分からない。また延期されるなどと、安易に期待しないほうがいい」といった解釈が成り立つのは間違いないでしょう。

次のページ今、増税すべきなのか?

KEYWORDS:

オススメ記事

佐藤 健志

さとう けんじ

佐藤健志(さとう・けんじ)
 1966年、東京生まれ。評論家・作家。東京大学教養学部卒業。
 1989年、戯曲『ブロークン・ジャパニーズ』で、文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を当時の最年少で受賞。1990年、最初の単行本となる小説『チングー・韓国の友人』(新潮社)を刊行した。
 1992年の『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』(文藝春秋)より、作劇術の観点から時代や社会を分析する独自の評論活動を展開。これは21世紀に入り、政治、経済、歴史、思想、文化などの多角的な切り口を融合した、戦後日本、さらには近代日本の本質をめぐる体系的探求へと成熟する。
 主著に『平和主義は貧困への道』(KKベストセラーズ)、『右の売国、左の亡国 2020s ファイナルカット』(経営科学出版)、『僕たちは戦後史を知らない』(祥伝社)、『バラバラ殺人の文明論』(PHP研究所)、『夢見られた近代』(NTT出版)、『本格保守宣言』(新潮新書)など。共著に『対論「炎上」日本のメカニズム』(文春新書)、『国家のツジツマ』( VNC)、訳書に『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき』( PHP研究所)、『コモン・センス 完全版』(同)がある。『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき』は2020年12月、文庫版としてリニューアルされた(PHP文庫。解説=中野剛志氏)。
 2019年いらい、経営科学出版よりオンライン講座を配信。『痛快! 戦後ニッポンの正体』全3巻に続き、現在は『佐藤健志のニッポン崩壊の研究』全3巻が制作されている。

 

この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路
平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路
  • 佐藤 健志
  • 2018.09.15