声を大にして言おう。オールブラックス「2軍」視は間違いだ。 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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声を大にして言おう。オールブラックス「2軍」視は間違いだ。

あす激突。黒子軍団はハングリーなときが一番怖い。

■年代別代表を経験している能力ある選手がズラリ

ストライドの長い走りでディフェンスを切り裂くジョーディー・バレット。ジャパンも要警戒だ

 まず、ファーストチョイスでも違和感のない選手がいる。ベテランのHO(フッカー)デーン・コールズ、巨漢のWTB(ウイング)ワイサケ・ナホロ、身長196センチのFB(フルバック)ジョーディー・バレットだ。

 ワイルドな突進でファンの多いFL(フランカー)ヴァエア・フィフィタ、CTB(センター)ンガニ・ラウマペ、そして圧倒的な運動量を誇るゲーム主将のNO8(ナンバーエイト)のルーク・ホワイトロックも黒衣の先発を担えるスター選手だろう。超攻撃型のSO(スタンドオフ)モウンガは、ステップワークの切れ味なら一番手のSOボーデン・バリットを上回るかもしれない。

 先発7番で代表デビューとなるFLダルトン・パパリィはまだ21歳だが、20歳以下のNZ代表を経験済み。同じく代表デビューでオールラウンダーのCTBマット・プロクターも元U20代表だ。みなラグビー王国NZで将来を嘱望されてきた逸材なのだ。

 そんなトップ選手、次世代の担い手たちが、日本戦をアピールの機会と捉えているから恐ろしい。

 W杯日本大会まで1年を切っている。HOコールズといった怪我明けの主力にとっても、当落線上の若手にとっても、日本戦は稀少なアピールの場となる。

 今秋の北半球ツアーの残り3試合、そしてW杯イヤーのテストマッチが主力中心になるとすれば、特にノンキャップ組は「最後のチャンス」と考えているかもしれない。

 途中出場を含め、オールブラックスメンバーは80分間アピールを続けるだろう。

次のページ思い出す、95年W杯の歴史的大敗

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多羅 正崇

スポーツライター

法政二高-法政大学ではラグビー部に所属。大学1年時にU19日本代表候補に選出される。法政大学大学院日本文学専攻卒。現在は「ラグビーリパブリック」「Number web」等に記事を寄稿。ユーモアエッセイストとしても活動中。


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