しなの鉄道の観光列車「ろくもん」北信濃雪見酒プラン試乗会 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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しなの鉄道の観光列車「ろくもん」北信濃雪見酒プラン試乗会

あっという間の2時間。何とも贅沢な鉄道旅行

■旅の締めくくりは音楽

黒姫駅に停車中の「ろくもん」

 途中の長い停車時間を含めて55分程で黒姫駅に到着。ここでも17分停車して長野駅へ向けて折り返す。黒姫駅のある信濃町は、江戸時代に活躍した俳人小林一茶の生地で、ホームのはずれには一茶の詠んだ「やれうつな 蝿が手をすり 足をする」の句碑が立っていた。駅舎内には、ゆるキャラ一茶さんが乗客を迎えてくれる。駅からすぐのところには一茶記念館があるので、次回訪れたいと思う。

黒姫駅ホームの俳人一茶の句碑

「ろくもん」は黒姫駅で折返し、もと来た道を帰るだけ。それでは退屈する乗客がいるかもしれないので、車内でバイオリンとチェロによる生演奏を聴いてもらうというイベントが用意されていた。地元出身で東京の有名音大を卒業したあと長野県を本拠としつつも全国で活動する2人の若き女性演奏家によるアンサンブルである。エルガー作曲の「愛の挨拶」に始まり、「浜辺の歌」や長野県ゆかりの「早春賦」などの有名な曲を優雅に奏でてくれ、聴き惚れてしまった。3号車から2号車、1号車へと演奏してまわるので、誰もが近いところで楽しむことができる。良い企画だった。

帰路の車内で行われた生演奏

 かくして、長野駅を発車してからちょうど2時間で再び長野駅に戻ってきた。終わってみればあっという間の旅。飲食をメインに生演奏や車窓を楽しめる何とも贅沢な鉄道旅行だった。本番の運転では、牟礼駅での停車時間がやや長くなるなど、全体的にさらにゆったりした旅となる。雪景色の中を走る列車の旅は楽しみが倍増することだろう。

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