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「部下とは一定の距離感をとる」管理職の大カンチガイ

なぜ、職場改革をしても、社員は辞めていくのか?(中編)

部下と深くコミュニケーションすることで、セクハラやパワハラと言われたくないーー。こうした悩みを抱えている管理職は多いハズ。しかし、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(弊社刊)の著者、前川孝雄氏は「部下と距離を置けばかえって逆効果になる」と語る。

■改革の旗を振る管理職が深夜残業

 出勤および退勤の時間を従業員が自由に決められるフレックスタイム制や、働く場所をオフィスに限定しないリモートワーク。どちらも働く時間や場所の制約をなくすことで仕事の効率を高め、また子育てや親の介護など家庭の事情を抱える人にも働き方の選択肢を増やすことができるため、働き方改革のために取り入れる企業があります。

 

 改革の旗を振るのは、管理職や本部スタッフたちです。ただ、皮肉なことに、こうした新しい働き方を従業員に周知し推進していくために、旗振り役である管理職たち自身が深夜残業を強いられている実態があります。これは、先ほどの残業禁止が先行し、組織の構造改革が未着手な状況が背景にあります。従業員にリモートワークは認めるものの、肝心の仕事の見直しができていないため、管理職や本部スタッフが穴埋めしているからです。

 あるいは、範を示したい管理職や本部スタッフが率先してフレックスタイムを取ろうとするものの、業務量自体が減っていないため、仕方なく自宅に持ち帰ってこっそり仕事するという本末転倒な事態も生じています。

 先ほどの残業禁止の話と同じで、最新のワークスタイルを形式的に真似ても、本当の意味での働き方改革にはなりません。「何のためにそのワークスタイルを導入するのか」「ワークスタイルを実践するために変えなければいけないことは何か」という本質に関わる議論を置き去りにしてはいけないと思います。

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『前川孝雄の"はたらく論"』- アメーバブログ
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前川 孝雄

まえかわ たかお

(株)FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師

紀伊國屋書店 新宿本店、紀伊國屋書店 梅田本店、

丸善 丸の内本店、文教堂書店 浜松町店 

1位

「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベスト新書)

大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒。リクルートを経て、2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業。「上司力研修」「育成風土を創る社内報」「人を活かす経営者ゼミ」などを手掛け、約300社で人が育つ現場づくりを支援。自らも年間100本超の講演、TV番組、雑誌に出演。YAHOO! 「前川孝雄の人が育つ会社研究室」など連載も数多く持つ。


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  • 前川 孝雄
  • 2016.08.09