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薩長同盟締結の陰に、中岡慎太郎の人脈とコミュニケーション能力!

歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第45回 ~中岡慎太郎

 続いて、十二運星を見ていく。この場所は、性格とエネルギーを表す。エネルギーは1~12で表される。

「病(びょう)」:運勢エネルギー4

 夢や空想が好きで、神秘的なものを好む。芸術のセンスがある。現実的ではないため、実行力に欠けたり優しすぎたりする面を持つ。

 慎太郎は芸術性が高かったのだろうか。初めのころはいかにも村役人が書いたような筆跡だったというが、慶應3年以降の書簡はとくにすばらしく、志士書簡の白眉と言われるほどである。鋭い筆法、力強い文字の座りなど、他者の追随を許さないものがあったという。

 また、龍馬がまるで漢詩の知識がなかったのに対し、慎太郎は技量があり、センスに優れていたという。もともと美的センスを持ち合わせていたのだろう。

「建禄(けんろく)」:運勢エネルギー11

 王子様の星。王様の星=帝旺(12)、女王様の星=冠帯(10)と並び、「身強の星」の1つであり、エネルギーが強く、経営者等に向いている。目標を掲げ、休みなく前進する努力の星。

 土佐藩士で政治家として活躍した、田中光顕は、「坂本先生の名がもっとも広く世に伝えられていますが、私はその見識において、またその手腕において、中岡先生の方がはるかにまさっていたと思います」と語り、その理由として、維新の原動力が三条・岩倉両卿にあることを見抜き、2人の手を握らせ、さらに、政権を朝廷に返すよう言い始めたのも慎太郎だったと述べている。また、板垣退助は「もし中岡が生きていたら、木戸や大久保と並ぶ新政府の指導者になっていただろう」と語ったと言われる。

 リーダーになって何かを成し遂げてくれる!そんな希望を抱かせてくれたのだろう。

「養(よう)」

 素直でユーモアがあり、人から好かれる甘えん坊。特に目上の人から引き立てを受ける。

 そう考えると、慎太郎が付き合っていた、討幕派のキーマンはほとんど全員が慎太郎にとって年上だった。岩倉具視や三条実美はもちろん、隆盛は10歳、木戸孝允は5歳、龍馬も2歳年上だった。そんな年上のお兄さんたちから、「かわいい、何かをやってくれそう」そんな期待感をもたせる、弟のような存在だったのだろうか。

 大河ドラマ「西郷どん」もついに佳境に入った。慎太郎は俳優の山口翔悟さんが演じている。慎太郎はあのように、さわやかでいい人キャラだったのだろう。

 ところで、慎太郎について、調べを進める中で、龍馬を死に追いやった黒幕は、慎太郎とする説を何度も目にした。自身も死に至っているのだから、いくら何でもそんなことはあるまい…と思ったのだが、読み進めると、完全に否定ができるものでもない。

 しかし、この四柱推命を通して、慎太郎はお人よしなほど人がよく、人を大切にし、真面目な性格であることがよくわかった。こんないい人が、友人を殺せるだろうか…?

 いや、無理だろう。慎太郎と龍馬を殺した人物については、未だ明らかになっておらず、どの説も空想に過ぎない。

 しかし、今回の鑑定を通して、絶対に慎太郎ではない!ということは声を大にして言いたい。そして、慎太郎のことを一人でも多くの人に知ってもらいたい。そう切に願う。

京都・東山区「霊山護国神社」内、龍馬と中岡慎太郎の墓所。お墓もちゃんと二人寄り添うように建っている。
■四柱推命とは?
 古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
 具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いて現行暦に換算し鑑定している。

【参考文献】

「中岡慎太郎」宮地佐一郎 中央公論社 (1993)
「中岡慎太郎 陸援隊始末記」平尾道雄 中央公論新社(1977)
「大輪の回天 中岡慎太郎伝」松岡 司 新人物往来社 (1999

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妃萃(本名:油川さゆり)

ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。


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