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医療制度を悪用する、生活保護受給者達。薬の転売も…

制度の悪用。目を背けてはいけない現実

「生活保護」その実態は――。ライターの神里純平氏が見た現実。

■生活保護は連鎖する

 まず、私がこれまで生活保護世帯を取材してきた中でわかったのは、生活保護は上の代から下の代まで受け継がれ連鎖しているという現実だ。

 体感ベースであるが、両親ともに健康体ながら生活保護を受給していた家庭で育った場合、その7割方は自分も大人になったときに生活保護を受給している。

 子は親の背中を見て育つ、と言うがまさしくそのとおり。健康体の両親が仕事をしなくても生活ができていたのを目の当たりにしていたからだ。

 また、親の方から「働くな」とストップがかかる場合もある。

 16歳ぐらいの年頃になってバイトをしようとするとそういった家庭では両親がバイトをするのを止めるようになる。子供がバイトをしてしまうと世帯収入になるため生活保護の額が減ってしまうからだ。

■妊娠・出産を繰り返し…

 また、生活保護世帯の特徴として子沢山があげられる。私が見た家庭でも、そうだった。中には世帯主から見て娘の子供、つまり孫と自分の子供が同い年という例もあった。某市の担当職員もこう言っていた。

「これは大きな声では言えないんですけど、生活保護をもらっているにも関わらず妊娠・出産を繰り返す方もいます。おめでたいことではあるのですがなんだかなぁという気持ちになります。もちろん、出産をすれば増額ですよ」(職員)

 私生活がだらしないという傾向も見られる。担当職員も頭を悩ませているようだ。

「結婚と離婚を繰り返している方も多いですね。あとは、少年院あがりが多い印象があります。親が仕事をしないでだらだらとした生活を送っていると子供はぐれるんじゃないでしょか。最近では家賃の未払いも目立つようになっています。不動産業者から家賃だけは優先的に振り込んでくれないかというお願いの電話をもらうこともあるほどです」

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神里 純平

1979年生まれ。沖縄県在住の会社員。

中堅のリサイクルメーカーにサラリーマンとして勤務し、会社内から出る産業廃棄物の収集運搬やグループ内の在庫移動の業務に従事する毎日。少年の頃には紆余曲折があったが、現在は友人たちと一緒に、仕事後や休みの日に子どもたちに格闘技を指導することがライフワークとなっている。好きな言葉は「人生一生雑巾がけ」。著書に『沖縄裏の歩き方』(彩図社)がある。


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