【深夜、宴席の残飯をあさるの遊女の切実さ】 | BEST T!MESコラム

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深夜、宴席の残飯をあさるの遊女の切実さ

吉原の舞台裏を覗く 第9回

江戸時代に遊郭が設置され繁栄した吉原。その舞台裏を覗きつつ、遊女の実像や当時の大衆文化に迫る連載。

写真を拡大 図1『玉屋新兵衛桶臥』(志満山人著、文政12年)、国会図書館蔵

 図1は、吉原の妓楼の宴席の場面である。

 客の男の右にいるのが花魁。三味線を弾いているのは、宴席に呼ばれた芸者である。

 豪華な料理が置かれているが、これは台屋という仕出料理屋から取り寄せた物で、台の物といった。もちろん、法外な値段だったが、こうした台の物を気前よく取り寄せるのが男の見栄でもあった。

 客の男は美酒と美食を楽しみ、芸者や幇間の芸を楽しんだあと、花魁と床入りし、性を享楽したわけである。

写真を拡大 図2『春の文かしくの草紙』(山東京山著、嘉永六年)、国会図書館蔵

 いっぽうの花魁にしてみれば、こういう気前のいい客をとりこにすれば、自分も美食にあずかれたわけである。妓楼が提供する粗食など、人気のある花魁はほとんど無視していたろう。

 図2は、仕出料理屋の調理場の光景。かなり繁盛しているようだ。

吉原にはこうした台屋がたくさんあり、豪華だが高価な料理を妓楼に届けた。

 

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永井 義男

ながい よしお

小説家、江戸文化評論家。1997年『算学奇人伝』で開高健賞受賞。時代小説のほか、江戸文化に関する評論も数多い。著書に『江戸の糞尿学』(作品社)、図説吉原事典(朝日新聞出版)、江戸の性語辞典(朝日新聞出版)など。


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