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神奈川県大磯町「大磯の左義長」(さぎちょう)
素朴な民間信仰と盛大な道祖神の火祭り

日本の祭りを撮る!〜第1回

Photo-9/朝7時から解体されるお仮屋。

Photo-10/ぐるぐると縄を巻いてつくられる仮宮。

 

 

Photo-11/浜へと運び出される正月飾り。

Photo-12

 

 

​Photo-13/築きあげられるサイト。書き初めの飾りを燃やし、空に舞い上がると筆が上達するといわれる。

Photo-14/正月飾りで飾られたサイト。

 

Photo-15/道祖神、賽銭箱、仮宮、サイト

 

 夜6時半、セエトバレが始まる。9つのサイトに恵方の方向から火が入れられ一斉に勢い良く燃え上がる。冷え切った浜は熱気であふれる。この火で団子をあぶって食べると1年間無病息災と周り中から竿につけた団子が伸びてくる。燃え尽きる頃、今年の恵方(南南東)のサイトから次々とオンベを倒す。すると同時に長者町、浅間町、子の神地区には裸の男衆が駆けつける。ヤンナゴッコが始まる。
 舟形の山車に乗せた仮宮は綱に結ばれ、海側と陸側に分かれて引き合う。海側は冷たい海水の中だ。海に入った男衆は魚と見なされ、それを陸が引き上げることで豊漁を願う行事だ。仮宮は浜に引き上げられると、踏まれて潰されてしまう。その上に男衆が乗り伊勢音頭を歌う。男たちを乗せた山車は浜から地区へと戻り、神社に宮入りして祭りは終わる。

 

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芳賀 日向

はが ひなた

1956年長野県生まれ。日本写真家協会会員。日本・世界の祭り、芸能を48ヵ国にわたり取材。『週刊朝日百科 日本の祭り』シリーズ連載(朝日新聞社)、『日本の祭り』監修(旅行読売出版)ほか。芳賀ライブラリー代表。


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