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エディーHC「プレッシャー」に弱い人間へアドバイスを送る

生まれつきプレッシャーに強いタイプと、鍛えて強くなったタイプ【「プレッシャー」の力④】

■成功体験を振り返ってみては

――素晴らしい話しだが、成功体験に乏しい人たちには、共感を持ちにくい話しのようにも聞こえるが。
 人生というものは、どんな人でも成功と失敗を繰り返す。生まれてから死ぬまでずっと成功しか経験しない人などいないし、勿論、失敗だけを繰り返す人もいない。どんな分野でも大きな成功を収めている人は、必ずどこかで大きな失敗というものを経験している。なぜなら、失敗というものは、必ず成功の「肥やし」になるからだ。そして、一定期間成功を収めている人には、必ず失敗というものがやってくる。こうしたサイクルの中で生きていくのが現実の人生だ。

 自分は成功体験に乏しい人間だと思っている人は、自分の人生をもっとしっかりと振り返ってみて欲しい。どんな人生にも、必ず成功体験というものはあるはずだ。

――どんな人の人生にも成功と失敗というものは存在し、どちらの経験も、プレッシャーへの耐性を鍛える為に役立てるべき。

 それが人生というもの。生まれつきプレッシャーに強いタイプの人でも、いつかどこかで必ず失敗というものを経験し、考えさせられるときはやってくる。ここで何も考えないような人は、どんなにプレッシャーに強い性格であろうが、長期的に大きな成功を手にすることはできない。どれだけ才能があっても、努力なしには何も成し遂げられない。

 もともとプレッシャーに弱い性格で、いつも失敗ばかりしていると思っている人は、一度これまでの人生を振り返り、成功体験というものを思い出す必要がある。そして失敗したときは、何故そうなったかを振り返り、どうすればプレッシャーに押しつぶされないかを、自分なりに考えるべき。プレッシャーが自分の弱点だと思うのなら、それを鍛えればいい。

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エディー・ジョーンズ


 



1960年、オーストラリア、タスマニア州バーニー生まれ。オーストラリア人の父と、日系アメリカ人の母の間に生まれる。1990年代初頭まで、当時オーストラリアの最有力州チームだったニューサウスウェールズ州の代表として活躍、その後引退し、コーチに転身する。2003年、オーストラリアの代表監督としてW杯準優勝、2007年、南アフリカのテクニカルアドバイザーとしてW杯優勝。2009年、サントリーのゼネラルマネージャーに就任。2010年度より監督も兼任し、日本選手権優勝。2012年、日本代表ヘッドコーチに就任。2015年のW杯では、世界的な強豪南アフリカ代表に歴史的な勝利をして、ラグビーファンだけでなく日本中の注目を集めた。現イングランドの代表監督。イングランド代表に就任してからチームは連勝街道を走り、今年2月のシックスネーションズが始まるまでは23戦22勝。今年のシックスネーションズは、3敗を喫したがまだチームは成長過程。2019年、日本で開催されるラグビーW杯での優勝を見据える。


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