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渾名は「ヒトラーの電動ノコギリ」。連合軍将兵を震え上がらせた名機関銃MG42

ワルサーP38、シュマイザー短機関銃、モーゼル小銃etc.世界に誇るドイツの名銃に迫る

ワルサーP38、シュマイザー短機関銃、モーゼル小銃……20世紀のドイツ軍を支えた、世界屈指の名銃に迫る連載、第4回。

 ■MG42汎用機関銃

MG42を携行するワッフェンSS隊員。写真の銃には50連の給弾ベルトが内蔵されたドラムマガジンが装着されている。

 ・・・・ケルベロスの通称で知られた首都警特機隊の元隊員、乾にとっての渾身の戦いが始まった。数をたのんで迫りくる敵を、たった一人、愛銃MG42で迎え撃つ。布を引き裂くような鋭い連射音が轟く度、強力な7.92mmマウザー弾を被弾した敵が、後方に吹っ飛ばされるようにして次々と斃れてゆく。オーヴァーヒートした銃身を一瞬にして交換し、乾は着実に敵を仕留め続る・・・・国産アクション映画の傑作『ケルベロス-地獄の番犬』のワンシーンである。

 第二次大戦勃発時、ドイツ軍は基幹小銃Kar98kと同じ7.92mmマウザー弾を使用する汎用機関銃MG34を装備していた。同銃はきわめて優秀な機関銃だったが、生産工程の手間とコストが高いのが難点だった。

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白石 光

しらいし ひかる

戦史研究家。1969年、東京都生まれ。戦車、航空機、艦船などの兵器をはじめ、戦術、作戦に関する造詣も深い。主な著書に『図解マスター・戦車』(学研パブリック)、『真珠湾奇襲1941.12.8』(大日本絵画)など。


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