■指示待ち夫には司令塔に徹する

 ただ、毎日会話を重ねても、夫に“気づき”を促し、暗黙の了解下でお互いの役割分担を実行するのは難しいのが実情だ。
「基本的に夫は指示を出さないと、何をやっていいか分からないみたいです」と、夫に対する愚痴をこぼすのは保険会社に時短勤務で働く岩本遥さん(仮名)。ワーキングマザーとして、5歳と3歳の2人の子どもを抱える岩本さんの家庭での立ち位置はまさに“司令塔”。
「『洗濯して』『ゴミ出しお願い』『お風呂洗って』というふうに、分かりやすい指示を出しています。当然最初は嫌な顔をされましたけど(笑)」。

 夫を納得させるために岩本さんが提案したのは、夫に専業主夫になってもらうことだったという。「私が養ってあげるから、家のこと全部やって。私があなたの役割をしてあげるから、あなたは私がやっていることを全部やって。役割を交換しましょうよ」と、岩本さんが凄むと、夫は白旗を上げたという。

 

 子どもの予防接種のスケジュールを組んだり、保育園の行事を把握したり、入園・入学準備をしたり…育児における事務的な作業は男性にとって苦手な分野なのかもしれない。そうした地味だけれども必要不可欠な作業を岩本さんが担う一方で、夫の家事分担を増やす。家庭において、お互いが50:50の働きになるためには、時には極論を振りかざして納得してもらうしかないのだ。
「どちらかが家に入り育児・家事を一手に担うよりも、2馬力で働くほうがメリットは大きい、と夫も考えたのでしょう。お互いがやるべきことをやらないと家庭は回らないと認識することが大事なのだと思います」

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