さまざまな和食に使える「万能だれ」の作り方
『一個人』春号「おいしい家ごはんのコツ」
『一個人』春号「口福の家ごはん」特集では、和食・洋食・中華の超定番レシピをおいしくするたれやソースの作り方、調理のポイントを解説しています。そのなかから、「和の基本だれ」とそれを使った「豚のしょうが焼き」を紹介。
監修 川上文代さん 渋谷区広尾にて「デリス・ド・キュイエール川上文代料理教室」を主宰する料理研究家。食育インストラクター、フードアナリスト、地元の千葉県館山ふるさと大使として各地での講演、雑誌、新聞など、多方面で活躍中。『新版 イチバン親切な料理の教科書』(新星出版社)ほか100冊もの著書を持つ。
■「基本のたれ」をマスターすれば、初心者でも味がブレない
素材の味や風味を生かした、シンプルな味つけだからこそ、調味料のバランスが肝となる和食。ただ、ひと口にバランスといっても、不慣れな料理初心者にはハードルが高いのが正直なところ。
「そんな時、役に立つのが、一度作れば様々な料理に応用できる、和食ならではの便利なだしやたれです」
今回、川上さんは、調味料を混ぜ合わせるだけでプロ顔負けの味つけが可能な『和の基本だれ』と、おすすめレシピを伝授してくれた。
基本のたれの一番のメリットは、すでに味は完成しているので、味つけがブレずに安定すること。食材を用意したら、あとはたれを注いで火加減を調整するだけで必ずおいしく仕上げられるから、調理時間も短縮できる。
「何より、自家製のたれであっという間においしい一品が作れたという達成感が、次なる料理作りへの意欲につながります」
「和の基本だれ」
あらゆる和食料理に使える万能だれの代表格
肉、魚、野菜などの素材も、煮る、焼く、炒めるなどの調理方法も選ばない、まさにオールマイティに使える万能調味料。

[こんな料理に使える]
・しょうが焼き
・照り焼き
・豚の角煮
・いかと大根の煮物
●作りやすい分量 濃口醤油 大さじ3(45㎖ )、みりん大さじ3(45㎖ )、酒 大さじ3(45㎖ ) ●作り方 すべての調味料を混ぜ合わせる。煮物に使う場合は、具材に火を通してから加える。
【おすすめ料理】
豚のしょうが焼き
基本だれと筋切り、小麦粉が決め手の定番料理

●材料(2人分) 豚肩ロース肉の薄切り……250g しょうがのすりおろし……15g 小麦粉……小さじ2 和の基本だれ……2/3量(大さじ6) サラダ油……小さじ1 キャベツのせん切り トマトのくし切り
●作り方
①豚肩ロース肉は、筋切りをして小麦粉をまぶす(筋切りをすることで、豚肉が反りにくくなる。小麦粉をまぶすと、こんがりきれいに焼け、小麦粉とソースが絡んで豚肉がとろりと柔らかくなる)。
②フライパンにサラダ油を熱し、表になる面を下にして並べる。軽く押さえて、焼き色が付いたらひっくり返す。
③両面こんがり焼けたら、和の基本だれとしょうがのすりおろしを加えて全体に絡める(上下を返すと豚肉にまぶした小麦粉が溶けて軽く濃度が付き、豚肉にたれが絡みやすくなる)。
(『一個人』2021年春号より)