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配偶者の「まったく興味のない話」を、弾む会話につなげるコツ

定年後に夫婦仲良く暮らすコツ⑤

配偶者の「まったく興味のない話」を、弾む会話につなげるコツは、興味をもって話をきいてみることだ。清水義範著『定年後に夫婦仲良く暮らすコツ』から著者の体験を紹介する。

■興味が無い話でも、じっくりきいてみればなかなか興味深いもの

 夫婦で会話をしていると、時として、片方にとってまったく興味のない話になることがある。たとえば妻が、古い友人の複雑な生い立ちと、そこからくる性格のねじれ、なんていう話を始めたりするのだ。夫としては、その友人の顔も知らないわけだし、どうにも関心が持てないわけだ。

 逆に、夫のほうがサラリーマン時代の手柄についてじっくりと語りだし、妻がついてゆけない、ということもあるだろう。要するに興味の持てない話が始まってしまうわけだ。

 

 そういう時、
「その話には興味ない」
 と言って話を打ち切ってはならない。せっかく話に勢いがついているのだもの、大いにその話をきかなければならない。
 興味がない話とはいっても、じっくりきいてみればなかなか興味深いものなのである。
「へえ、そうなの」
 なんて相槌を打ってきいていると、相手の話がだんだん面白くなってくるものなのだ。

 興味が持てないというのは、自分で自分の関心をせばめていただけで、どんな話でも興味を持てるものなのだ。

 そして、夫のほうも思いつくことがあり、
「それと似た話で、こういうことがあったよ」
 と自分の話を始めるのもいい。

 そういうやりとりこそが会話というものである。その夫婦には立派に会話が成り立っているのだ。

 心が健康ならば、どんな話にだって興味が持てるはずである。

 妻の言うことに、まったく興味が持てないという夫は、少しウツ状態かもしれないくらいだ。

 夫の言うことにまったく関心の持てない妻は、既に主人在宅ストレス症候群なのかもしれない。

 どうでもいいような話だが、それにつきあっていくのが、ふたりだけ暮らしの夫婦なのだなあ、というふうに考えよう。

 そのほか、ふたり暮らし歴37年のベテランの著者が、料理や家事、散歩、旅行を通じて「ふたりだけ夫婦」の生活を充実させるコツを本書で紹介している。

<清水義範著『定年後に夫婦仲良く暮らすコツ』(ベスト新書・KKベストセラーズ刊)より構成>

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清水 義範

しみず よしのり

1947年、愛知県名古屋市生まれ。愛知教育大学国語科卒業。1981年に『昭和御前試合』で文壇デビュー後、1986年に発表した『蕎麦ときしめん』でパスティーシュ文学を確立し、1988年、『国語入試問題必勝法』で吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、中日文化賞受賞。『やっとかめ探偵団』シリーズなど、名古屋を題材にした作品も多い。


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  • 2018.04.07