バレンタインデーは関係ないので無視。

 桃の節句には、戦後すぐの時代で、こんなものしかなかったという、妻の小さなガラス箱入りの雛人形を飾り、桃の花を活ける。

 春のお彼岸には、毎年ではないのだが、ちらし鮨を作って食べることが多い。

 端午の節句(子供の日)には、五月人形は飾らないけれど、菖蒲湯に入る。菖蒲を頭に巻いて鉢巻きにするのが恒例だ。

 七月七日の七夕は、参加のしようもない祭りなので何もしない。

 お盆はちゃんとやる。東京風の七月十五日のお盆に、仏壇におそなえをし、ほおずきを飾り、ナスの馬も飾る。迎え火も送り火もちゃんと焚く。

 秋のお彼岸には、毎年ではないのだが、精進揚げを作って食べることが多い。

 ハロウィンには何をしたらいいのかもわからないので無視している。

 十二月になるとクリスマスツリーを飾り、玄関ドアにはクリスマスリースをつける。

 そして冬至の日には風呂に柚子を浮かべて柚子湯に入る。

 そんなふうに、普通の家がやることはちゃんとしているのである。そういう行事をやれば、季節感にも敏感になり、生活に彩りがもたらされるのだ。

 そういうことをいっさいしない老夫婦というものを考えてみると、まるで世捨人のようで寒々しいではないか。もうすっかり飽きているとしても、正月はあれこれ飾って雑煮を食べなきゃしょうがないのである。それでこそ、ああ正月だなあと感じられるのだ。

 そして、年中行事ではないけれど、ふたりの記念日はちゃんと祝うようにしよう。

 そのほか、ふたり暮らし歴37年のベテランの著者が、料理や家事、散歩、旅行を通じて「ふたりだけ夫婦」の生活を充実させるコツを本書で紹介している。

<清水義範著『定年後に夫婦仲良く暮らすコツ』より構成>