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夜の世界で働く女性のための、知ってスッキリ!「風俗と税金」入門講座

対談:松本崇宏(税理士法人松本・代表税理士)×今賀はる(現役風俗嬢)

■申告をしっかりしていない店は多い

今賀 レシートが全然残っていなくても、申告できるんですね。

松本 根拠となる資料は作って頂きますが、申告はできます。もちろん、明らかな不正はダメですよ。たまに「大根」を経費にしている人がいたりして、それって経費ではなく晩御飯の材料じゃないですかと言いたくなります(笑)。

今賀 申告をしっかりやっているお店とそうでないお店、どちらが多いと思いますか?

松本 圧倒的に、しっかりやっていない方が多いですね。三割くらいのお店は申告をしているかもしれないけど、その中でも適正申告をしている割合は多くない。

今賀 この業界で働いていると、お店は「税金を払ったところで、信用や利益が増すわけではない。他の業界に比べても、別に法律で守ってもらっているわけでもないし」と思っている。女の子もそう。国から差別的な扱いを受けるのであれば払いたくない、という人もいる。でも、それが今後の人生で足かせになるかもしれない・・・というわけですね。

松本 お店から源泉徴収票や支払調書が発行されていないことで、女の子が困ることがある。例えば保育園にお子さんを入れる時などですね。そういう時のためにも、申告はやっておいた方がいい。

今賀 「マイナンバーも始まったことだし、あらゆるものが記録されているから、もう自分は現金払いしかしない!」という人もいます。

松本 極論を言えば、確かにそうなんですよね。ただ税金の支払いを避けるために、今の生活状況を全部捨ててどこかに逃げたり、全てを他人名義にするのは大変です。家族やお子さんがいる場合はなおさらでしょう。

 最終的には自己判断になりますが、税金に関する正しい知識を持つことは重要だと思います。

今賀 私も正しい知識を持たなければ・・・!と思いました。

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「セックスワーク・サミット2018春「知ってスッキリ!『風俗と税金』入門講座」(主催:一般社団法人ホワイトハンズ)が、2018年3月18日(日)に、東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターにて開催されます。

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坂爪 真吾

さかつめ しんご

1981年新潟市生まれ。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。東京大学文学部卒。



新しい「性の公共」をつくる、という理念の下、重度身体障害者に対する射精介助サービス、風俗店の待機部屋での無料生活・法律相談事業「風テラス」など、社会的な切り口で、現代の性問題の解決に取り組んでいる。2014年社会貢献者表彰、2015年新潟人間力大賞グランプリ受賞。著書に『セックスと障害者』(イースト新書)、『性風俗のいびつな現場』(ちくま新書)、『はじめての不倫学』(光文社新書)などがある。


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