■松嶋桃流「人に頼る」重要性

――脳のスイッチを切らずに、と必死だった松嶋さんは、そういうお話を聞くとどう感じるんですか?

松嶋 すごい(笑)。でも、合理的でいいと思います。まず、予備校の先生の言うことに全く疑問を差し挟まずに従うって簡単にはできないですよ。でも、私もプロに聞くことは大事だと思っているので共感しますね。

――確かに『戦わない受験勉強法』には「大切にしていた5つのこと」として「人に頼る」を挙げて、「教え上手な先生は地面を掘ってでも見つけなさい」と書かれていました。

松嶋 はい。わたしは予備校の「京大コース」にいたんですけど、最初は講師の先生方の視線が「なんでこんなにできない子が京大コースに……」とでもいうようなものでした(笑)。でも危機感があったので、そんなことお構いなしに質問をしに行きまくっていたら先生方が異様にやさしくフレンドリーになっていったんです。この経験から、「できないけれどやる気のある人」に世の中って優しんだ、ということを知りました。だから頼ることはとても大事だな、と。
あと受験勉強という点でいえば、浪人までを視野に入れていたので、ダメだったときの絶望感みたいなものがなかったのが良かったのかな、と思います。受験で京大という目標に向かって自己分析をするのがすごく楽しくて。

――やはり楽しむことが続く要素なんですね。自己分析という視点は「計画を立てる」という宇治原さんの考えとも似ている気がします。

 

宇治原 そうですね。菅さんの「予備校に行く」というのも計画を立てていることと一緒かな、とも思いますし。そういうこともしないで受かるのは難しいでしょうね。ただ、落ちてもそこまでの絶望感がないっていうのはいいですよね、やっぱり。

松嶋 追い込まれないんですよ、勉強中に。で、結構楽しかったかもしれない。

宇治原 例えばいまの仕事でもそれは当てはまっていて、「このクイズ番組で結果を出さなきゃいけない、出さなきゃ俺はおしまいだ」くらい自分を追い込んでいる若手って失敗するんですよ。「まあ、出れなくても大丈夫」と思っているくらいの方がいいんです。カズレーザーくらいのテンションね(笑)。実際にカズレーザーには聞いていないですけど(笑)。

――悲壮感が出過ぎると結果が出ない。

宇治原 受験にも似たところあると思います。メンタルも関わってくるので。僕もセンター試験は失敗をしているので、自分で思っている以上に追い込んでいるところがあったんだな、とは思いますね。

――センター試験で30点分の問題が分からなくなって失神、保健室に運ばれた(『身の丈にあった勉強法』)……。でもそれ以外は満点だったんですよね(笑)。

 失神しても僕より点数が上でしたからね(笑)。でも、こうやって話をしていて思うのは、そもそものテーマだった35-45歳の方たちにとっての勉強、ということで言うと僕が予備校に任せきりだった話と逆になるのかもしれないですね。学生の場合は出された問題を疑うことはない。でも社会人になったら疑わなければいけないわけです。

――なるほど。

 仕事に悩まれている方って上司に言われたことをやるというケースがありますよね。そのときに、そもそも上司の言っている方向性があっているのかの判断をしてもいいかもしれない。疑わずにやって結果が出ないから「なんだったんだこの時間!」ってなるのかな、と思ったんですけど。

――思い当たる節があります。

菅 僕はサラリーマンの経験をしたことがないんで、ちょっとおこがましいですけど……、これをやってほしい、と言われたときにいつも「はい」ばかりではなくて別の案を提示できるかどうかってすごく大事なんじゃないかな、と。「僕はこうやります」というふうにならないと対等に渡り合えないように思うんですね。もちろん「やりません」はダメですけど。

松嶋 その提案のために勉強をするんですね。なにもない人には言えないですもんね。

【4月3日配信 後編「京大芸人&京大雀士の勉強法。共通点は……」に続く】