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岡田斗司夫が語る、橋下徹のカリスマ性

カリスマと呼ばれる人は5タイプに分けられる

橋下徹は敵が多く、「理解されない正義」タイプ

もちろん、どんなカリスマもその両方の要素を持っています。

「成功して金持ちになろう」と語りかけるカリスマも、その成功を分かち合いたい、もっとみんな豊かになって欲しいと思うからこそ、著作や講演活動をしてるわけです。「個人が豊かになれる社会」への変革を願っているわけですね。

「世界を変えなければ」と思っているカリスマも、一人ひとりが変わらなければ世界は変わらない、ということぐらいわかっています。

どんなカリスマも「社会変革」「個人成長」の両方を重視している。でも、それぞれに偏りがあり、最終的に「こっち重視」という傾向はカリスマごとに存在します。

ポジショニング・マップでは、各カリスマごとの傾向で左右に分類してみました。

では各カリスマごとの傾向を分析します。

 

堀江貴文さんは「開放的」であり「個人の成長」が目的です。堀江さんに近づく方法はサロンやメルマガなど多数準備され、その価格に見合った「付き合い方」ができるように整備されています。

あまりに開放的なので、逆にドライに感じるほどです。

サロンでは「やりたいこと」「個人の成功や成長」を中心に動きがあり、社会正義や変革などと言った「青い」言葉はほとんどありません。

なのでポジショニング・マップでは、ほとんど左上の端が堀江貴文さんの位置になります。

 

堀江さんと逆に右下にポジションするのは、文筆家で思想家の内田樹さんです。内田さんの文章は、わかりやすく明晰です。でも内田さんは合気道の師範であり、「言葉ではなく身体化した思想」に核心があります。

なので内田さんの「本当の弟子」になるためには、無意識化するまで繰り返された肉体の鍛錬が不可避なのです。

同時に内田さんは「思索を練る」よりも「行動に移す」ことを重要視しています。国会前でデモする若者に理解と言葉を与え、彼らを擁護しようとし続ける。デモ運動を「効率が悪く意味が無い」と斬るホリエモンとは対照的です。

なので、内田樹さんは「閉鎖的」かつ「社会運動」が目的になります。

 

前大阪市長の橋下徹さんは「開放的」かつ「社会運動」です。彼の言葉はわかりやすく、同時に「一緒にいる仲間だから」の配慮がありません。同じ維新の党の仲間であっても、思想が違えば簡単に別れるし、罵ります。自分を応援してくれる有権者に成長も求めません。

あくまで「彼らに理解できる言葉」を探し、争点がレベルの低い感情的なやりとりに終始しても気にしません。

これはマップのほぼ同位置にいる安倍晋三さんや孫正義さんも同様です。

 

 

あなたの好きなカリスマは、どのタイプでしたか?

あなたがカリスマになる場合、どのタイプになると思いますか?

このポジショニング・マップを見て考えてみてください。

『カリスマ論』より抜粋>

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岡田 斗司夫

おかだ としお

1958年大阪府生まれ。社会評論家。

1984年にアニメ制作会社ガイナックスの創業社長をつとめた後、東京大学非常勤講師に就任、作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。

2010年に「オタキングex」(現FREEex)を立ち上げる。レコーディング・ダイエットを提唱した『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)が50万部を越えるベストセラーに。

その他、多岐にわたる著作の累計売り上げは250万部を越える。

近著に『カリスマ論』(ベストセラーズ)がある。


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  • 2015.11.07