ブルーボトルの熱狂…現代人はなぜ行列してまでコーヒーを飲むか |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

ブルーボトルの熱狂…現代人はなぜ行列してまでコーヒーを飲むか

30年間で「嗜好品」はこんなに変わった〈後編〉

■「嗜好品の30年」から見えてきた、個人主義の流れ

 また、プロが淹れるコーヒーが家庭で作れると謳い、無印良品が発売した「豆から挽けるコーヒーメーカー」が、大ヒットしたのもサードウェーブの流れと見ることができるだろう。

 タバコ、お酒、コーヒーと、現代を代表する嗜好品の30年を振り返ると見えてくるもの。それは、日本の個人主義の高まりだ。タバコにおいては喫煙可能な喫茶店や公共の場の喫煙所などのインフラが喪失することによって、他人に迷惑をかけず、自分ひとりで吸うデバイスへ変貌を遂げている。まずは一本どうぞ、とタバコを差し出すような昔ながらのコミュニケーションはなくなってきた。また、お酒やコーヒーも、場や風習に囚われずに、自分が好きな一杯を追い求める傾向にある。今後ますます強固な個人の時代がくるだろう。それに伴って嗜好品もさまざま形に変容していくに違いない。

KEYWORDS:

オススメ記事