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幽霊が出る?「ビックリマーク」標識の噂は本当か

【毎月20日更新】世にも奇妙な道路標識 第11回:ビックリマークと都市伝説

 「注意」の一言しかないもの

 このように設置理由は様々だが、中にはわけのわからないものも存在する。たとえば茨城・栃木県道1号仏ノ山峠の茨城側に「その他の危険」標識があるのだが、ここの補助標識には「注意」のひとことだけしかなく、「だから何に注意すりゃいいんだよ」と言いたくなる代物である。「ここから先は魔境・茨城県だから心して走れ」という意味合いかと思ったが、考えてみればこの手前は栃木県だから、魔境度にそう差があるわけではない。まあ実際には、この先に「凍結注意 スリップ注意」という看板があるので、滑らぬよう気をつけて走ってくれということなのだろう。

写真を拡大 「注意」の一言だけしかない

 峠道といえば、国道299号正丸峠(埼玉県飯能市)の旧道にも、ぽつんと「その他の危険」が一枚立っている(ストリートビュー )。ここには補助標識などは設置されておらず、ただ無言で峠道の脅威を訴えかけてくる。

 

 実はこの正丸峠は、関東でも指折りの心霊スポットとして有名だ。検索してみると、様々な怪談や動画が引っかかってくる。筆者は霊感など全くない人間だが、そう知った上で走るとやはりあまり気持ちがよくない。そこにふっと現れる黄色と黒の標識は、ちょっとぎくりとさせる視覚的インパクトがある。先に挙げた都市伝説は、あるいはこういうところから生まれたのかもしれない。まあいずれにせよ、峠道を走る際にはいろいろなものに気をつけていただきたいと思う次第である。

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佐藤 健太郎

さとう けんたろう

1970年兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。大手医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライターとして独立。文系の読者にもわかりやすい解説で定評があり、東京大学大学院理学系研究科の広報担当特任助教として東大の研究実績を対外発信する業務も担当した。『医薬品クライシス』(新潮新書)で2010年科学ジャーナリスト賞、2011年化学コミュニケーション賞を受賞。著書はほかに、『「ゼロリスク社会」の罠』『化学で「透明人間」になれますか?』(ともに光文社新書)、『炭素文明論』(新潮新書)、『ふしぎな国道』『世界史を変えた薬』(ともに講談社現代新書)などがある。


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