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ブロックチェーンが可能にする「法定デジタル通貨」

30年間でお金はこんなに変わった〈後編〉

■各国中央銀行がデジタル通貨を発行

 そしてこのブロックチェーンの技術が登場したことにより、先程触れたシンガポールで一度は頓挫してしまった法定通貨の電子化に新たな動きが出ている。また、イギリスの中央銀行イングランド銀行もデジタル通貨チームを立ち上げ、研究に着手している。

 そして、さらに一歩進んだ動きを見せているのがカナダ中央銀行だ。大手銀行などとともに「CADコイン」の実証実験を行っている。カナダ中央銀行にある特別口座にカナダドルの入金を行うと分散型台帳に同額のコインが発行されるという仕組みである。これは国民が直接利用するというよりも、銀行間での当座預金のやり取りに用いられる。

「eクローナ」の計画を発表したスウェーデン国立銀行。スウェーデンは、世界でもっとも通貨のデジタル化がすすんでいる国のひとつだ。 (パブリックドメイン)

 また、世界初のデジタル通貨発行国を目指しているのが、スウェーデンだ。スウェーデンの中央銀行リクスバンクでは2016年に中央銀行が発行するデジタル通貨「eクローナ」の計画を発表。2年以内に発行するかどうか意思決定を行うという。

 このように世界の中央銀行ではデジタル通貨の実証実験に動き出している。近い将来、中央銀行がデジタルで通貨を発行している未来が訪れるかもしれない。

2040年の未来形は、『アフター・ビットコイン』著者、中島真志氏に聞く。

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