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メガバンク3万人が仕事を失う。銀行員「大失職」時代

【銀行消滅】を岡内幸策氏が徹底解説1/3

■バブル期入社組が“お荷物”になっている!?

トオル…仕事に対して、働く人の数が多すぎるんですね。でもどうしてそんな状態に?

岡内…それには大きく分けて、「バブル期に人を採り過ぎたこと」「銀行員の定年が徐々に伸びていること」の2つが関係しています。

シズカ…ふんふん。バブル期入行組って、だいたい今50代ぐらいですか?

岡内…そうですね。銀行員の定年は以前、実質52歳ぐらいが当たり前だったのですが、今は国の政策によって定年が伸びています。そして数の多いバブル期入行組がなかなか退職しないため、銀行が長く面倒を見なければいけない行員が増えてしまったのです。

トオル…でも、ベテランの銀行マンってみんな仕事ができそうなイメージがあるから、いてもらっていいんじゃないの?

岡内…それが今いる銀行員って、かつては優秀だったかも知れませんが、モチベーションも低いため、単なるポンコツが増えすぎています。

シズカ…すごい! バッサリと一刀両断!

岡内…年収1000万の銀行員がいるとします。ところが、実際にはその収入に見合う価値ある仕事をできる人はほとんどいません。優秀な人ほど4、5年で見切りをつけて銀行には残りません。結果、雇用主である銀行側からすれば、「プライスとバリューのミスマッチ」が起きていて人事も困っています。株式の持ち合い解消もあって、企業の方も銀行からの斡旋にも慎重です。

トオル…手厳しい…給料に見合った働きができない行員が多いということなんですね。

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岡内 幸策

おかうち こうさく

ディー・ディー・マイスター代表取締役社長。1956年生まれ。神戸大学法学部卒。富士銀行(現みずほ銀行)を経て、不動産証券化・REITの資産評価、担保資産等の価値評価、コンサルティングを行うディー・ディー・マイスター(株)を設立。『証券化入門』『デキる銀行員は数字を超える』『不動産ファンド 危機の構図』(いずれも日本経済新聞出版社)ほか著書多数。


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  • 2017.06.01