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今日から始める「スピードアップ」のための5つの工夫

シリーズ:3年後に結果を出すための 最速成長⑨

1. 仮説思考に早く慣れる。 
「調べてみないとわからない」という態度を捨て、どんな場合でも「こうかな?」と最初に考えるようにします。これを「仮説思考」と言います。仮説思考ができるようになると、瞬時に物事の判断がつくようになるので、驚くほど仕事が速くなります。それまで自分は何をしていたんだろうと思えるほどです。

 仮説思考は、仮説を立てて、それから検証し、違っていたら仮説を修正し、また確認します。ですから、大きく間違えることがないのです。 仮説思考をすぐにマスターできる人とそうでない人の違いは、はっきりしています。

 すぐにマスターできる人は、「格好つけず、思ったことを素直に口に出せる」人です。でたらめを言う、というのではなく、「先入観なく、物事を観察して、瞬時に考えて発言できる」人です。 そのようにすると、毎日何度も練習機会があるので、急成長します。一方、「こんなことを言ったら笑われるのではないか」とか「調べてみないとわからない」というような態度は、足を引っ張ります。

2. スピーディーに資料・書類作成をする。
資料・書類作成を素早くできるかどうかで、仕事のスピードは数倍違ってきます。お勧めするのは、書こうと思う内容をA4メモ数十ページに書き、だいたいの分類ごとに大きな机の上に並べます。問題点、顧客動向、競合状況、本企画の内容、推進ステップ、推進体制、注意事項などです。

 それを見ながら、もう一度数十ページ書き直して、それをまた大きな机の上に並べます。元のメモはもう不要ですので、しまっておきます。 この2ラウンドの結果、内容はかなり明確になり、体系的に整理され始めます。そこで初めて、パワーポイントなどに落としていくと、メモ書きの時間を入れても、直接書くのに対して、数分の一の時間でできます。

3. メールは即座に返信する。
メールはすぐに返信します。メッセンジャーなども少しずつ増えていますが、外部とのやり取りなどを考えると当分、メールが主体です。メールへの返信を軽視している人がまだ多いのは、私にはよく理解できません。メールにすぐ返信すれば相手からもまた返信があり、ミーティングの設定があっという間にできたり、何かの調整がすぐにできたりします。すぐ返信しなければ、次のやり取りが翌週になったり、場合によっては忘れてしまったり、面倒がられてミーティングが実現しなくなったりします。

4. 単語登録、ショートカットキー、ブラインドタッチ、再利用フォルダを活用する。 
単語登録を200~300するとメール、チャット、資料・書類作成などが驚くほど速くなります。単語登録によってテンポが上がるため、登録している言葉以外にも大きな効果が出るためです。 単語登録は、単語だけではなく、「ども」=「どうもありがとうございました。」などのように文章も登録できますし、「09」で自分の携帯電話番号を表示したり、メール アドレスや自社のURLを登録したりすることもできます。

5. 会議はごく短時間で。
会議に対しては、どこの会社でも大きな誤解があり、課題が大きいと思います。「会議時間が長すぎる」「会議が多すぎる」「やらなくてもよい会議が多すぎる」 「会議を適切に仕切れるリーダーがいない」などです。これらの会議はほぼすべて無駄であり、その会社の競争力を大いに削いでいるとしか思えません。

 会議とは基本的に、「ディスカッションすべき少人数が、顔を突き合わせてさっと意見を言い合い、最短で意思決定し、素早く行動に移すためのもの」というふうに考える必要があります。 「迅速な意思決定」を望まない社長はいないと思いますが、下に丸投げで自分で決めようとしないので、いつまでもダメな会議がはびこります。会議ごとに「会議リーダー」を決め、従来の半分の時間で会議を終わらせるように全社で推進すると効果的です。半年ごとにレビューし続けると、さすがに変わります。

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赤羽 雄二

あかば ゆうじ

ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクター。東京大学工学部を1978年に卒業後、コマツで超大型ダンプトラックの設計・開発に携わる。1983年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了後、マッキンゼーに入社。経営戦略の立案と実行支援、新組織の設計と導入、マーケティング、新事業立ち上げなど多数のプロジェクトをリード。マッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力となるとともに、韓国LGグループの世界的な躍進を支えた。主な著書に『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』(ダイヤモンド社)、『頭が真っ白になりそうな時、さらりと切り返す話し方』(KKベストセラーズ)、『入社3年塾』(三笠書房)等がある。


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