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睡眠時間は「7時間」がちょうどいい説

【睡眠負債】を枝川義邦氏が徹底解説3/3

■結局理想的な睡眠時間は何時間?

シズカ 先生、最後にずっと疑問だったんですけど結局理想的な睡眠時間ってどれくらいなんですか?

枝川 人それぞれにあった睡眠時間やサイクルがあるので一概には言えないですが、「7時間」をベースに考えてもらうといいでしょう。国内の研究では「睡眠時間が7時間の人の死亡率が一番低い」という結果も出ています。必要な睡眠時間は年齢によって変わってきますので、子供はもっと長く眠る必要があるのですが、年齢を重ねると短くても大丈夫なようになっていきます。厚生労働省の研究局が2014年に発表した「健康づくりのための睡眠指針」でも、夜間睡眠時間は15歳前後で8時間、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で6時間と減少していきます。

シズカ 睡眠時間で言うと、1.5時間周期で寝るといいと聞いたことがあります。あれって本当なんですか?

枝川「おおむね」当てはまります。レム睡眠とノンレム睡眠を足したワンセットが「おおむね」90分だからです。しかしこれには個人差があって、そのワンセットが延びたり前後したりします。たとえば10分長いだけの100分だとしても、4セット眠ると400分になります。そこで起きるのがベストな人が1セット90分×4=360分の計算で起きてしまうと、40分手前で起きてしまうことになることになるんです。これでは、むしろ目覚めにくいタイミングで起きようとしていることになってしまうのです。

トオル なるほど。じゃああんまりがんじがらめに「1.5時間周期」に縛られない方が良さそうだね。

枝川 はい。「睡眠負債」を抱えていそうな人は、とりあえず今より1時間早く、長く寝てみる。それでも理想の睡眠時間が見えてこない場合に、一度「7時間」をベースに寝てみるという順番がいいのではないでしょうか。それで体の調子を検証してみて、足りないようなら30分ずつ足し引きしたりして、調整していけばいいのでしょう。

トオル 先生色々とありがとうございます。これで「睡眠負債」返済します!

シズカ 私も今日から試してみよう、ありがとうございました。

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枝川 義邦

えだがわ よしくに

早稲田大学研究戦略センター教授。東京大学大学院を修了して薬学の博士号、早稲田大学ビジネススクールを修了してMBAを取得。早稲田大学スーパーテクノロジーオフィサー(STO)の初代認定を受ける。脳の仕組みや働き、人間の行動などについての執筆や講演なども多い。2015年度早稲田大学ティーチングアワード総長賞、2017年度ユーキャン新語・流行語大賞を受賞。一般向けの著書に『「脳が若い人」と「脳が老ける人」の習慣』(明日香出版社)、『記憶のスイッチ、はいってますか』(技術評論社)、『「覚えられる」が習慣になる!記憶力ドリル』(総合法令出版)など。


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