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「がん診療」を有意義なものにするコツ

1万人以上のがん患者を治療する放射線治療専門医が語るがん治療最前線

■心を開いてキャッチボール

 大切なのはキャッチボールです。医師が一方的に説明した気になっていてはダメだし、患者さんが一方的に希望や不安をぶつけてくるだけでもダメです。

 実際に、私が大事なことを話そうとしているのに、ずっとしゃべり続けている患者さんもいます。もし、私の話を受けてくれていたら、そこからのキャッチボールで説明が何層にも深くなる可能性があるのに、こういう患者さんには最低限のボールしか投げることができません。

 もちろん、遠慮なく何でも質問してください。そして、その質問に対する私たちの答えを真摯に聞いてください。医師が質問した内容に正直に答えてください。これが、信頼関係を築くキャッチボールです。

 がんを宣告されたらショックなのは当然です。「恐い」「つらい」「不安だ」何でも結構です。まずは一球、心を開いてボールを投げてください。

(『最新科学が進化させた世界一やさしいがん治療』より構成)

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武田 篤也

たけだ あつや

放射線治療専門医。1994年、慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院、防衛医科大学校病院、都立広尾病院にて放射線治療診療を行う。2005年に大船中央病院に赴任し、放射線治療センターを開設。以降13年あまりの間に、全国有数の高精度放射線治療施設とする。SBRT(体幹部定位放射線治療)を2000例以上行う(肝臓がんは世界1位、肺がんは国内2位)。70編以上の医学英文論文に加えて専門書『The SBRT book』(篠原出版新社刊)を執筆。中東の某石油産出国の国王に呼ばれ、診療を行った経験もある。


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  • 武田 篤也
  • 2018.01.19