被害者はお金を取り戻せるか?

 可能性が高いのは、銀行に対する「詐欺罪」か。しかし、何より罪深いのは、一生に一度の晴れ舞台を楽しみにしていた新成人たちを騙したこと。果たして被害者達はお金を取り戻せるのか。

「民事で争うことになると思いますが、結論から申し上げると全額は返ってこない可能性が高いです。ネックとなるのは銀行の存在です。今回の場合、『はれのひ』は約6億8千万の負債があり、そのうち金融負債が4億と聞いています。残りの2億8千万が、仕入れ業者、そして一般消費者の分です。仮に財産があったとしてもまず銀行に当てられる可能性が高い。何の担保もとっていないとは考えづらく、そうなると一般の方々まで下りてくる頃にはほぼ残っていないのではないでしょうか」

 被害にあった人の中には、社長の篠崎洋一郎氏から直接「現金払い」を促された方もいるという。その場で払ってしまったお金が戻ってくる見込みは残念ながら薄い。

「カード払い」であれば問題なし?

 しかし、クレジットカード払いをした被害者は申し立てをすれば、支払いは取消される可能性が高いという。

「サービスの提供を受けていないのでカード会社に支払うことができません、と申し立てることができます。これを『抗弁の接続』と言うことがあります。今回の場合、1月成人式の直前にカードを切ったということであれば、請求がだいたい2月末になります。それまでであればOKです」

「仮にその前のタイミング、たとえば8月等に決済していてもカード会社には申し立てをしてみるべきです。法律上の制度ではありませんが、今回は社会的状況を鑑みてカード会社が補償してくれる可能性があります。われわれも、申し立ての際に手続きのお手伝いできるかと思います」

 被害にあわれた方は、泣き寝入りせずに弁護士などしかるべき方に、まず相談してみることだ。

〈今回お話を伺った人〉
 
刈谷龍太(かりや りょうた) 弁護士。
1983年千葉県生まれ。中央大学法科大学院 修了。
弁護士登録後、都内で研鑽を積み2014年に新宿で弁護士法人グラディアトル法律事務所(https://www.gladiator.jp/)を創立。代表弁護士として日々の業務に勤しむほか、メディア出演やコラムの執筆などをおこなう。男女トラブル、労働事件、ネットトラブルなどの依頼のほか、企業法務においても顕著な活躍を残す。アクティブな性格で事務所を引っ張り、依頼者や事件に合わせた解決や提案力などに力がある。