メジャーでも放った存在感。井口資仁の守備、もっとも大事にしていたこと |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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メジャーでも放った存在感。井口資仁の守備、もっとも大事にしていたこと

井口資仁監督に聞く。Q22. 守備で大事にしていた技術はなんでしょうか?<前篇>

 

■セカンドのゲッツーはバランスよく回転しなければいけない

 ゲッツープレーの場合を考えるとより分かりやすいと思います。4-6-3のダブルプレーではショートの場合、セカンドからの送球が来る方向と、自分がファーストへ送球する方向に大きな違いがありません。だから、自分がセカンドベースに入りながら、捕球&送球を一連のスムースな動きで行えます。タイミングによっては、ボールを握り直す余裕も生まれるでしょう。

 でも、6-4-3のゲッツーで、セカンドはそうはいきません。セカンドベース上で、ショートからの送球を捕球しながら、バランスよく回転してファーストへ送球しなければなりませんからね。

 昨年から、ルールが改正され、一塁ランナーがダブルプレーを狙う二塁ベース上の野手の動きを邪魔することが禁止になったことは、ご存知だと思います。しかし、僕が現役の頃、ゲッツー崩しのスライディングは、プロのランナーの技術の一つと見なされていました。もちろん、守る側もそれがランナーと野手の駆け引きだと納得もしていました。

 ショートからの送球が必ずしも、ファーストへ送球しやすい位置に来るとは限りません。その捕球の動きの中で、ランナーの動きも確認しながら、「一歩前へ出てから、ファーストへ送球した方がいいか」「いや、その場で行けるか」といったふうに判断していました。

 その動きで最も大切なのがバランスだったのです。

明日の質問は…「Q23.守備で大事にしていた技術はなんでしょうか?<後篇>」です。

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井口 資仁

いぐち ただひと

1974年12月4日生まれ。東京都田無市(現:西東京市)出身。千葉ロッテマリーンズ監督。97年逆指名で福岡ダイエーホークス(現:ソフトバンクホークス)に入団。走攻守三拍子揃った選手としてレギュラーとして活躍する。2005年にはシカゴホワイトソックスに入団。ワールドチャンピオンに二度輝く。その後、09年に千葉ロッテで日本復帰。昨年現役引退を発表。


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