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井口新監督が平沢大河に指摘した重要なポイント

井口資仁監督に聞く。Q15 ショートのポジションへの注目が高いですが、現在はどう考えていますか?

■練習でできないことは試合でもできない

 たとえば、秋季練習の紅白戦で、彼が三遊間の深い当たりを捕球して、体勢を崩しながらノーステップで一塁に投げて、それが悪送球になったことがありました。僕は特守の様子をすべて見ていたので、どんな体勢で送球すると暴投になるとか、ステップを踏めば正確な送球になるということを把握していたわけですが、紅白戦で彼は特守でも一度もアウトにしたことのない体勢から送球したんです。そりゃ、アウトにできないよ、って。だって、練習でも一度も成功したことがないんですからね。あそこは、足を使ってステップしてから送球するべきだった。大河にはそう伝えました。

 アウトにできる場面でのノーステップでの送球は、チャレンジでも何でもありません。一塁がセーフになるかアウトになるかという勝負ではなく、悪送球してしまったら、打者は二塁まで進塁してしまうわけですからね。

 他にもランナー一塁の状況で、確実に一つアウトを奪えばいいような打球に対して、無理にゲッツーを取りに行って暴投したこともありました。これもチャレンジではありません。状況判断ができなかったためのミスです。

 単純に、捕る、打つ、投げるという基本の部分はしっかりできる。そして、その才能は誰もが認めるところなのですから、少しでも早く経験を積んで、状況判断の能力が一軍のレギュラークラスになってほしいですね。

 昨シーズン、ショートを務めた三木亮と大嶺翔太、そして昨年ドラフト2位の藤岡裕大。彼らが大河とのレギュラー争いでどう勝負をかけてくるか。キャンプ、オープン戦では、その辺りを見極めたいと思います。

〈明日の質問は…「Q16 この選手は核になってほしいという投手はどなたですか?」です〉 

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井口 資仁

いぐち ただひと

1974年12月4日生まれ。東京都田無市(現:西東京市)出身。千葉ロッテマリーンズ監督。97年逆指名で福岡ダイエーホークス(現:ソフトバンクホークス)に入団。走攻守三拍子揃った選手としてレギュラーとして活躍する。2005年にはシカゴホワイトソックスに入団。ワールドチャンピオンに二度輝く。その後、09年に千葉ロッテで日本復帰。昨年現役引退を発表。


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