なぜ男は料理でいつも煮込みたがるのか? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

なぜ男は料理でいつも煮込みたがるのか?

オヤジが休みの日に作っていたカレーの記憶

なぜ料理は「カレー」だったのか

 そもそも僕はカレーという料理そのものには反抗心を持っていた。白状すると、その他大勢の人たちと違ってカレーで心ときめいたことがないのだ。でもカレーは給食の人気者で、みんなが競っておかわりをする。「カレー」と聞くだけで目を輝かせる。そんな「カレー=みんな大好き」という空気に僕は納得がいっていなかった。

 

 子どもの頃の僕にとってカレーは好きでもなければ嫌いでもない。「あれば食べる」もの。ただそれだけ。第一「カレー味」はずるいのだ。どんな具材だろうと全てカレー味に染めていく。そんな不条理さを感じ「俺はお前を認めない!」と独りごちていたほどだ。カレーという絶対的強者に対する小さな反抗だった。

 そんな小さな反抗心を振るう僕でも父親の作るカレーは何となく好きだった。あの薄い黄色のルゥも、スープカレーの様なシャバシャバ感も、シンプルな具材も、後からじわーっとくるあのカレー粉の辛さもどこかで自分に自然と馴染んできた。子どもの頃ほどカレーに対して反抗心を持たなくなった今でも、どんなカレーが一番好きか聞かれたらあの時の父親のカレーをあげるだろう。

 そう言えば、父親はなぜ「カレー」を作っていたのか。長年疑問だったのだが、先日母親と何気ない会話をした際にはっと気づいた。

「そういえば、好きな食べ物って何?」

「んーカレーかな」

 そう母親が好きな料理だったのだ。口には出さないが父親はたまに作る料理で母親を喜ばせたいと思っていたのかも。ひょっとしたらまだ僕が生まれる前、ふたりの間に「カレー」という料理に何か特別な思い出があったのかもしれない。なんて想像をして、思わずほっこりしてしまったのだ。

 次回、そんな思い出のカレーを作ります! ちゃんと再現できるかな?

KEYWORDS:

オススメ記事

藤井21

ふじい21

オフィス北野

お笑い芸人

1987年埼玉県東松山市生まれ。 オフィス北野所属のお笑い芸人。



実家は酒販店を営んでおり、両親が共働きだった事もあり、幼い頃から自分で簡単な料理をしていた。



学生時代から今に至るまで飲食店でアルバイトを続けており、その種類は和食、イタリアン、中華、居酒屋、ステーキ店等々多岐に渡る。



自身も飲食店を開く際に必須の資格である「食品衛生責任者」を保有する。



日本テレビ「ウチのガヤがすみません!」で披露している料理は著名人も太鼓判の味。



クックパッドに毎日レシピをUPしており、投稿数は500品以上。



またブログ、Twitter、Instagramでも自作の料理や料理にまつわる豆知識を配信している。



公式ブログ「良い香りのある生活」:https://ameblo.jp/fujii21/



クックパッド:https://cookpad.com/kitchen/14528852



Twitter:https://twitter.com/hujii_21


この著者の記事一覧