祭り以外にも、江戸勧進相撲発祥の地として知られている。相撲自体は日本書紀にも記されているように、かなり歴史のある競技だが、庶民にも広く行われるようになったのが江戸時代とされる。しかし、見物人のトラブルなどが相次いでしまい、禁止令が出るほどだった。
 勧進相撲が許されたのは、貞享元年(1684)のこと。春・秋場所が富岡八幡宮の境内で行われることになった。それ以降、番付などのシステムが作られていき、現在の大相撲の礎になったとされる。

 寺社巡りが好きな人にとっては、東京十社のひとつという認識があるかもしれない。東京十社とは、明治時代に准勅祭神社として定められたもので、当時は格式が高いとされた。富岡八幡宮のほか、亀戸天神、王子神社、白山神社、根津神社、神田神社、日枝神社、氷川神社、芝大神宮、品川神社が挙げられる。

 また、深川七福神のひとつ(恵比須神)でもある。七福神巡りは、江戸時代に盛んに行われていた。正月の風習であり、これが次第に観光の要素も盛り込まれるようになる。神を大義名分としてお祭りで盛り上がった古来の日本人は、信仰だけでなくプラスαの楽しみを見出していたようだ。

 いまでは悪いニュースばかり取り上げられてしまう富岡八幡宮だが、このように非常に歴史深い神社である。1日も早く平穏を取り戻してほしいものだ。
 神社にまつわるアレコレは、『一個人』1月号をチェック! 「日本のしきたりと年中行事」をテーマに、ご利益神社などについても紹介している。

雑誌『一個人』2018年1月号より構成〉