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北・核とミサイルの第一標的は「北京」説

中国によって北朝鮮の工作員が大量逮捕!? シリーズ!脱中国を図る北朝鮮⑩

彼らには心を許すな

 中国の大国主義に対して、金正日は誰よりも大きな侮蔑感があるはずです。

「中国には絶対に心を許すな」

 これは、金日成、金正日、金正恩の三代にわたる重要な遺訓です。

 かつて金日成主席は息子の金正日に対して、次のような話をして懇々と諭し
たということです。

「中国は14のポケットを持っている。中山服(人民服)にある四つのポケッ
トの裏に、十個の隠しポケットがある」また、金日成主席は言っています。

「一つのポケットの裏に、もう一つのポケットがあり、そのポケットの裏にも
また別のポケットがある。我々はこれまでの苦い経験から、中国がそれくらい
のところまで考えていることは判断できる。しかし、彼らはもっと奥が深い。
彼らには、絶対に心を許すな」金日成主席から聞いたこの話を金正日は金正恩にも伝えたと言われています。

 このように金王朝三代にわたって、伝統的に朝鮮に強い影響力がある中国の
勢力を排し、中国におもねる人々を次々と粛清してきました。北朝鮮では文化
的にも中国式の漢語を極力使用せず、朝鮮土語を多く用いて、全てハングル文
字による記載を行っているのです。

 しかし、経済的な理由から今日の北朝鮮は、常に中国共産党の改革開放という中国による圧迫に脅かされています。

 そうした中で、北朝鮮の核とミサイルの第一の標的は、実は北京なのだとも
噂さされています。

(『北朝鮮の終幕』より構成)

〈シリーズ!「朝露関係からみる北朝鮮」に続きます。〉

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田中 健之

たなか たけゆき

 昭和38(1963)年、福岡市出身。歴史家。日露善隣協会々長。拓殖大学日本文化研究所附属近現代研究センター客員研究員を経て、現在、岐阜女子大学南アジア研究センター特別研究員、ロシア科学アカデミー東洋学研究所客員研究員、モスクワ市立教育大学外国語学部日本語学科客員研究員。 昭和58(1983)年に中国反体制組織『中国の春』の設立に関与し、平成元(1989)年6月4日に生じた天安門事件を支援、亡命者を庇護すると共に、中国民主運動家をはじめチベット、南モンゴル、ウイグルの民族独立革命家と長期にわたって交流を重ねている。 平成3(1991)年、ソ連崩壊と共にモスクワに渡り、ロシア各界に独自の人脈を築く。 一方、幼少より玄洋社、黒龍会の思想と行動に興味を抱き、長年、孫文の中華革命史およびアジア独立革命史上における玄洋社、黒龍会の歴史的、思想的な研究に従事、それに基づく独自の視点で、近現代史、思想史を論じている。 玄洋社初代社長平岡浩太郎の曾孫に当たり、黒龍会の内田良平の血脈道統を継ぐ親族。 著書に『昭和維新』(学研プラス)、『靖国に祀られざる人々』(学研パブリッシング)、『横浜中華街』(中央公論新社)、『実は日本人が大好きなロシア人』(宝島社)その他、共著、編著、雑誌など多数。



 


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